外壁塗装の保証期間は?保証内容などの注意点を知りトラブルを防ごう
2021.09.02 (Thu) 更新
外壁塗装の保証範囲・保証期間は、保証で違いがあります。保証によって内容が違うので、業者との間で保証にまつわるトラブルは少なくありません。
本記事は、外壁塗装の保証期間の目安と起こり得るトラブルから、保証の適用可否のポイントと受けるための注意点を解説します。
もくじ
外壁塗装の保証の種類。保証期間は何年?
外壁塗装の保証は3種類です。
- 塗装会社の自社保証
- メーカー保証
- 第三者保証(業者が加盟している団体・組合の保証)
それぞれの保証期間・特徴を解説します。
外壁塗装会社の自社保証
「独自保証」「オリジナル保証」とも言われる、施工業者による保証です。保証期間は会社によって異なり、1年のものも10年のものもあります。
保証内容も同様です。アフターフォローに力を入れていて、定期的に塗装の状態をチェックし、必要な時期に補修を提案してもらえるものもあれば、初めて依頼した時と同程度の修繕費がかかるような手薄なものもあります。
どれほど安心できる内容でも、業者が倒産すれば保証が受けられなくなるのがデメリットの1つです。
保証を受けるのに塗料の種類は関係ありません。臭いの少ない塗料を使いたいなどのこだわりがある方も、安心です。
メーカー保証
塗料メーカーによる保証です。ただし、メーカー保証は期待しない方が良いでしょう。保証を付けられるのは、メーカーが認定した業者のみだからです。また、戸建て住宅は、適用されないことがほとんどです。そして、適用される塗料は限られます。
保証期間は、塗料の耐用年数に左右されます。たとえば、ウレタン塗料で3~5年、無機塗料で7~10年程度です。屋根は外壁より劣化しやすいため、保証期間が短い傾向です。
第三者保証
業者が加入している団体・組合の保証を受けられる制度です。業者が倒産して保証を受けられないなどの場合に助かります。
塗料の種類が限定されないだけではなく、塗装箇所全てが保証の対象なのが特長です。一方、長期保証を付けられることもありますが、1~2年と保証期間が短い点はデメリットに挙げられます。
外壁塗装の保証範囲
施工不良による変色や塗料の剥がれなどは、保証の対象です。一方、経年と共に避けられない劣化は、適用されません。
保証される場合とされない場合を見てみましょう。
色あせ
塗装したばかりと比較すると、経年で外壁の色が薄くなった・色味が変わってきたなどは起こり得ます。しかし、1年程度で見た目の劣化が見られたら、業者のミスの可能性があり、保証対象の可能性が高いです。
色あせた外壁は、見た目が良くないだけではなく、塗膜が剝がれて建物を保護する働きが弱まる懸念があります。塗膜が雨水から建物を守る役割をするためです。
チョーキング
塗料に含まれる樹脂の劣化で顔料が剥がれると、外壁や屋根の表面にチョークの粉のように見えるようになります。
チョーキングも経年と共に発生するリスクは高まりますが、下地処理の方法を間違えた、立地に適さない塗料を使用したなどで、1~2年で起きることがあります。
塗料の耐用年数より早いタイミングでチョーキングが起こり、原因が業者と特定できれば、保証対象です。
ひび割れ
ひび割れは近くを走る車・電車の振動や地震などで起こることもあり、業者の原因と断定するのが難しく、保証対象外のケースがほとんどです。しかし、塗装から数ヶ月のひび割れは、自然災害でもない限り考えにくいです。よって、施工不良の可能性は高く、保証で対応してもらえる場合もあります。
剝がれ
塗料の耐用年数を過ぎれば、外壁が剥がれるリスクが高まります。ただし、3年以内の剥がれは業者のミスが疑われ、保証に含まる可能性が高いです。耐用年数が短い塗料でメーカー保証期間が3年程と考えると、妥当な年数でしょう。
付帯部(壁面・屋根などの細部)の劣化
外壁や屋根とあわせて、軒天・雨樋・派風板・鼻先なども塗装するので、付帯部も対象になる保証があります。ただし、外壁・屋根よりも劣化が早いので、保証期間は短めです。
自然災害や建物の欠陥などによるものは対象外
業者・塗料メーカーに原因のない劣化は、保証が適用されません。下記のような原因は、保証対象外です。
- 自然災害・地盤の変動
- リフォームなど塗装業者以外の作業によるもの
- 家の所有者の維持管理不足
- 建物の構造上の問題
など
外壁塗装で想定されるトラブル
塗装の劣化の原因を特定しにくいことで、トラブルが起きやすいです。想定されるトラブルから、保証に関する注意点が見えてきます。
保証対象外の不具合が起きた
会社によって内容の異なる自社保証は、保証範囲が分かりにくいです。故に、保証で直してもらえると思っていた劣化が対象外だったというのが起こり得ます。
ひび割れ・付帯部などは、対象外のケースが多いです。保証書で保証範囲を確認しましょう。認識誤りのリスクを減らすために、詳しい内容を業者に説明してもらうことをおすすめします。
保証書がない
保証書は、保証内容を知るのに欠かせません。にもかかわらず、保証書を渡さない業者は存在します。
保証があると言われただけで安心するのは危険です。塗装から間もなく色あせや剥がれが見られ、施工不良の可能性が高いとしても、保証書がないのを理由に保証が付いていないと言われるリスクがあるためです。
業者から保証書は必ず貰ってください。保証書を渡さない業者であれば、契約を避けるのが無難です。
業者が倒産した
保証期間中に業者が倒産してしまうと、保証で対応できる不具合でも、保証が受けられなくなります。ただし、第三者保証に加入していれば、業者の加盟団体・組合の保証を利用できます。
複数業者が出入りしていて原因の業者が分からない
外壁塗装と同じ期間に別の工事を依頼することもあるでしょう。複数の業者が出入りしていると、塗装以外の工事で塗装が劣化した可能性もあります。塗装業者が原因と断定できないため、業者の保証を受けるのが難しくなります。
外壁塗装の保証に関する注意点
保証のトラブルや受けられない事態を避けるには、保証内容の丁寧な確認は必須です。加えて、トラブルになりそうな業者を避けたり、施工中に手抜きをしていないか確認したりも大切です。
保証期間内に申告する
保証期間は、経年劣化が起きないだろう年数が設定されます。よって、家の所有者の管理や建物の問題、地震など、疑われる原因がない限り、早過ぎる劣化は業者の責任と見なされ、保証対象となるでしょう。
ただし、保証期間内に業者に申告した場合に限ります。
倒産・悪徳の可能性が高い業者を避ける
保証で対応する気がないにもかかわらず、長い保証期間をアピールする業者は存在します。
以下のような特徴に当てはまる業者は、注意が必要です。
- 長期の自社保証を付ける創業10年以内の業者
- 10年以上の保証を付ける塗料メーカー
創業したばかりの会社は、経営が上手く行くか分かりません。5年・10年以内に倒産する可能性もあります。
創業間もないのに保証期間の長い自社保証を付ける業者の中には、長期保証は契約をとるためのツール程度に考える業者もあります。数年で倒産しても困らないように保証を設定しているので、保証で対応することまで考えていないでしょう。
塗料メーカーの保証も、注意があります。耐用年数の長い塗料でも、10年も経てば経年劣化が起こる確率は上がります。経年による色あせや剝がれは保証対象外なので、10年以上の保証はないに等しいと言えます。よって、メーカーが10年以上の保証を付けるのは考えにくいです。
長期保証を付けられる理由がないにもかかわらず10年以上の保証を付ける業者は、異常を申告しても経年変化を理由に適用されないようにしている可能性があります。
依頼前に保証内容を確認する
全ての保証が無料で受けられるとは限りません。無料と思っていたのに有料だったとなると、説明を受けていないなどでトラブルの原因になり得ます。契約前に保証範囲と金額を確認しましょう。
第三者保証に加入する
塗装業者の倒産で保証が受けられない事態を防ぐのが、第三者保証です。第三者保証を受けるには、工事費用とは別に保険料を支払う必要がありますが、信用性の高い業者と契約できる点で安心です。第三者の団体・組合に加盟する、保険の加入資格を持っている業者に依頼することになるためです。
アフターフォローを大切にする業者を選ぶ
塗装に異常はないか、メンテナンスが必要か否かなどを確かめるため、定期点検を実施する業者は多いです。
施工後3回程行います。5回以上実施してくれる業者は、お客様に親身と言えるでしょう。
アフターフォローの時期・費用・お知らせの有無などを確認してみてください。
塗装中・施工直後の状態を確認する
保証を受けるには、業者に原因があると明確にする必要があります。そこで、作業途中と終了直後の状態をいつでも確認できることが大切です。たとえば、写真で残すのは有効な手段の1つです。
業者が写真で作業報告してくれることもありますが、念のため自身でも撮影しておくと、万が一の時に安心です。作業状況のこまめなチェックは、手抜き工事の防止にもつながります。
ただし、業者が作業している間の撮影は、避けた方が良いでしょう。写真を撮られるのを快く思わない方もいるためです。業者が帰った後に撮影する、防犯カメラの映像を使うなど、直接カメラを向けずに記録に残す工夫をしてみてください。
外壁塗装の保証期間は保証内容によりさまざま
外壁塗装の保証期間は、保証によって異なります。どこまで保証するかも違いますが、期間内でも、業者の原因と断定できないと保証は受けられません。
保証内容を確認する、信頼できる業者に塗装を依頼するなどで、万が一に備えましょう。