屋根葺き替え工事の費用は?工事内容やメリット・デメリットも解説
2021.09.30 (Thu) 更新
自宅屋根の劣化が気になる、雨漏りしている、築年数が古くて心配…。このような状況から「屋根葺き替え工事」を検討しているけれども、どんな工事なのか、どれくらい費用がかかるのわからず悩んでいる人も多いかと思います。
そこで本記事では、屋根葺き替え工事にかかる費用をはじめ、工事内容やメリット・デメリットについても解説します。ぜひ最後までお読みください。
もくじ
屋根葺き替え工事とは?
屋根葺き替え工事とは、既存屋根を撤去して新しい屋根材に張り替える工事のことです。
既存屋根の上に新しい屋根材をかぶせるカバー工法とは異なり、下地の修繕も同時におこなえるため雨漏りの予防や改善に役立ちます。
工事内容と工事期間
屋根葺き替え工事の内容は、以下のとおりです。
工事項目 |
工事内容 |
1.足場設置 |
高所作業の安全性・作業性を確保するために足場を組む |
2.既存屋根材の撤去 |
古い屋根材を撤去する |
3.下地調整 |
下地が劣化していないか点検し、必要であれば修繕する |
4.野地板設置 |
下地の上に野地板(屋根材を支える板)を設置する |
5.防水シート設置 |
野地板の上に防水シートを貼り付ける |
6.新屋根材設置 |
新しい屋根材を設置する |
7.板金処理 |
雨水の侵入を防ぐため棟部分(屋根の頂上)に板金加工を施す |
8.点検、足場解体 |
点検や手直し後、足場を解体する |
屋根葺き替え工事にかかる期間は通常6~15日ほどですが、天候や季節によっては長引くケースもあります。
葺き替え工事をするべき屋根の特徴
葺き替え工事をするべき屋根の特徴は、以下のとおりです。
- 既存屋根の耐用年数を超えている
- 雨漏りしている、もしくは雨上がり後でも室内の湿気が多い
- 屋根の劣化が激しい(コケや藻が目立つ、屋根材のズレや欠けなど)
- 以前にカバー工法でメンテナンスをしている
- 屋根の耐久性を高めて建物全体の寿命を延ばしたい
- 屋根の軽量化を図り耐震を高めたい(既存屋根が瓦の場合)
もし当てはまる項目があれば、屋根葺き替え工事を検討してみましょう。各屋根材の耐用年数は、以下を参考にしてください。
屋根材 |
耐用年数 |
|
瓦屋根(日本瓦) |
50年以上 |
|
瓦屋根(セメント瓦) |
30~40年 |
|
スレート屋根(カラーベスト・コロニアル) |
15~25年 |
|
金属屋根 |
ガルバリウム鋼板 |
20~30年 |
トタン屋根 |
10~20年 |
屋根葺き替え工事にかかる費用は?
この章では、屋根葺き替え工事にかかる費用を紹介します。まずは、工事項目ごとの単価相場を見ていきましょう。
工事項目 |
単価相場 |
足場仮設 |
700~1,000円/平方メートル ※飛散防止ネット込み |
既存屋根材の撤去 |
1,500~3,000円/平方メートル |
下地調整・野地板設置 |
2,000~3,500円/平方メートル |
防水シート設置 |
500~1,500円/平方メートル |
新屋根材設置 |
スレート屋根に葺き替え:5,000~7,000円/平方メートル |
ガルバリウム鋼板に葺き替え:6,500~8,000円/平方メートル |
|
日本瓦・洋瓦に葺き替え:8,000~15,000円/平方メートル |
|
板金処理 |
棟板金設置:2,000~3,000円/メートル |
軒先・ケラバ設置:1,500~2,000円/メートル |
|
アスベスト処理(※) |
20,000~85,000円/平方メートル |
※2006年以前に製造されたスレート屋根にはアスベストが含まれている可能性があり、処理費用として1平方メートルあたり20,000~85,000円が別途必要になります。
続いて、屋根葺き替え工事にかかる総額費用の相場を以下でチェックしていきましょう。屋根材ごとに紹介します。
スレート屋根への葺き替え
スレート屋根はデザインやカラーが豊富な上、値段も比較的安いことから、日本の新築住宅で多く採用されている屋根材です。
ただし、耐久性はあまり高くないため、気候や地域環境によっては5~10年ほどで劣化する可能性があります。
スレート屋根への葺き替え工事にかかる総額費用は、以下のとおりです。
既存屋根材 |
総額費用の相場 |
日本瓦 |
70万~200万円 |
セメント瓦 |
98万~260万円 |
スレート屋根(カラーベスト・コロニアル) |
70~200万円 |
トタン屋根 |
60万~130万円 |
ガルバリウム鋼板への葺き替え
ガルバリウム鋼板は、耐久性や防水性、耐火性、耐震性に優れた金属製の屋根材です。金属なのに錆びにくいため、沿岸沿いの建物にも適しています。
ただし、外気温が室内に伝わりやすい素材のため、夏は暑く冬は寒くなりやすい傾向があります。
ガルバリウム鋼板への葺き替え工事にかかる総額費用は、以下のとおりです。
既存屋根材 |
総額費用の相場 |
日本瓦 |
80万~210万円 |
セメント瓦 |
80万~200万円 |
スレート屋根(カラーベスト・コロニアル) |
90万~200万円 |
トタン屋根 |
80万~120万円 |
瓦屋根(日本瓦)への葺き替え
日本瓦は非常に耐久性が高く、耐用年数は50年以上と言われています。塗装によるメンテナンスが不要なため、他の屋根材よりもメンテナンスにかかる費用は少ないです。
ただし、屋根材そのものが高額であること、重量があるため耐震性が下がるといった難点があります。
瓦屋根(日本瓦)への葺き替え工事にかかる総額費用は、以下のとおりです。
既存屋根材 |
総額費用の相場 |
日本瓦 |
100万~266万円 |
セメント瓦 |
100万~250万円 |
この章で紹介した工事費用はあくまで目安のため、正確な金額を知りたい場合は専門業者に見積もりを依頼しましょう。
屋根葺き替え工事のメリット・デメリット
高額な費用がかかる屋根葺き替え工事。施工することで、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
以下で詳しく説明します。
屋根葺き替え工事のメリット
屋根葺き替え工事のメリットは、以下の3つです。
- 防水効果が高まり雨漏り予防や改善ができる
- 耐震性が高まる
- 屋根材の寿命が長くなる
下地の修繕や防水シートを貼り換えるため、雨漏り予防や改善ができることは屋根葺き替え工事の大きなメリットと言えるでしょう。
また、ガルバリウム鋼板などの軽くて丈夫な屋根材に葺き替えれば、耐震性や耐久性も高まります。
この先何十年も建て替えや引っ越しの予定がない人は、屋根葺き替え工事を検討してみてはいかがでしょうか。
屋根葺き替え工事のデメリット
屋根葺き替え工事のメリットは、以下の2つです。
- 他の屋根工事に比べて費用が高い
- 他の屋根工事に比べて工期が長い
既存屋根の撤去や下地調整などカバー工法よりも工程が多い分、どうしても費用が高くなったり、工期が長くなったりします。
なるべく費用を抑えて屋根工事をしたい人や、できるだけ日常生活への影響を少なくしたい人は、カバー工法を検討してみるとよいかもしれません。
ただし、屋根材の種類や劣化具合によってはカバー工法ができない場合もあるため、まずは専門業者に相談することをおすすめします。
屋根葺き替え工事は地元のプロに依頼しよう
屋根葺き替え工事は、大切な家を長く、丈夫に保つために欠かせない工事と言っても過言ではありません。
そもそも屋根には、雨や風、紫外線、外気温などの外部要因から建物や住民を守ってくれる役割があります。
さらに、軽量の屋根材を使用すれば地震による被害を、燃えにくい屋根材を使用すれば火事による被害を抑えるといった役割も担っています。
屋根は、安心・安全に生活していくために無くてはならないものです。屋根材の破損や雨漏りなど劣化症状がみられる、耐用年数を超えている場合は、早めに地元のプロに点検・修繕を依頼しましょう。
弊社ルーフカベドクターでは、無料の建物診断を実施しております。屋根の劣化が気になる場合はもちろん、とりあえず点検をしてほしい、まずは見積もりを取りたいという人も、お気軽にお問い合わせください。