トタン外壁のリフォーム方法|塗装・張り替え・DIYについて解説
2022.01.27 (Thu) 更新
1970年の半ばから1990年にかけて一気に普及したトタン外壁。2022年の今でもリフォームしておらず、トタン外壁のままという住宅も少なくないかと思います。
そこで本記事では、トタン外壁のリフォーム方法について詳しくまとめました。トタン外壁の住宅にお住まいの人は、リフォームする際の参考にしてください。
もくじ
トタン外壁の種類
トタンとは、鉄板に亜鉛メッキを施した建材のことです。防食作用がある亜鉛で表面を覆っているため、普通の鉄板よりも錆びに強いという特性があります。
現在、金属外壁の主流となっている「ガルバリウム鋼板」の先発品と言えばイメージしやすいでしょう。
また、重量が軽く耐震性に優れており、価格が安いことも魅力。メンテナンスを怠らなければ15〜20年ほど耐久することから、100年以上も前から外壁や屋根に使われている建材です。
続いて、トタン外壁の種類を見ていきましょう。
種類 |
概要 |
波トタン |
【形状】波形、波の大きさによって「大波」「小波」と分類される 【使用場所】大波は工場、小波は一般住宅 【費用】700~1,000円/1平方メートル 【特徴】横から加わる圧力に弱いが、施工費用を抑えられる |
角波トタン |
【形状】角ばった波形 【使用場所】工場や倉庫 【費用】700~1,300円/1平方メートル 【特徴】横から加わる圧力に強く、耐久性が高い |
リブ波トタン |
【形状】両側が山折り成型された細長い形状 【使用場所】一般住宅(和風住宅に多い) 【費用】900~1,700円/1平方メートル 【特徴】雨漏りが起こりにくい構造、デザイン性が高い |
スパンドレルトタン |
【形状】固定するビスや釘が見えない特殊な形状 【使用場所】看板やエントランスの天井など 【費用】1,500~1,900円/1平方メートル 【特徴】雨漏りが起こりにくい構造、強度に優れている |
トタン外壁のリフォーム方法【塗装】
トタンは普通の鉄板よりも錆びにくい特性はあるものの、永遠に錆びないわけではありません。雨風や紫外線の影響を受け続ければ、いつかは劣化します。
塗料の剥がれや色あせ、錆びや苔の発生など、トタン外壁表面に起こる軽度の劣化であれば塗装でメンテナンス可能です。
塗装メンテナンスにかかる費用は、30坪住宅で70万〜100万円ほど。塗装メンテナンスの頻度は7〜10年に一度です。
ただし、以下のような劣化がみられた場合は、年数関係なく塗装することをおすすめします。
- チョーキング現象が起きている
- 塗料の変色や退色がみられる
- 塗膜の剥がれやひび割れ、膨れが起きている
- 軽微の錆びや苔、カビが発生している
1.チョーキング現象が起きている
チョーキング現象とは、塗料の成分である「顔料」が雨風や紫外線で劣化し、粉状になって表面に現れる現象のことです。
初期段階の劣化ではありますが防水効果が薄れているため、症状が悪化する前に業者に相談しましょう。
外壁を触ってチョークのような粉が手についたら、チョーキング現象が起きているサインです。簡単に判断できるので、この機会に自宅の外壁をチェックしてみてくださいね。
2.塗料の変色や退色がみられる
塗料の変色や退色は、紫外線が原因で起こる劣化です。チョーキング現象と同じく防水効果が薄れている状態になります。
「色が薄くなっているだけ」「ちょっと色が変わったくらい」なんて軽く考えないで、劣化の進行を止めるために早めに対処しましょう。
3.塗膜の剥がれやひび割れ、膨れが起きている
塗膜(塗料の膜)の剥がれやひび割れ、膨れは、チョーキング現象がさらに悪化すると起こる劣化です。
剥がれやひび割れは防水効果が完全に失われている、膨れは内部で錆びが発生している可能性が高いため、早めに塗装メンテナンスをしましょう。
4.軽微の錆びや苔、カビが発生している
軽微の錆びや苔、カビが発生する原因は、塗膜(塗料の膜)の劣化によって防水効果が失われ、水をはじかなくなったことで起こります。
苔やカビを放置すると錆びの発生につながり、さらに放置すると錆びが広がって穴が開く。こうなると塗装ではメンテナンスできません。
トタン外壁に穴が開くと雨漏りの原因になるだけでなく、メンテナンスにかかる費用も高額になります。軽微の錆びや苔、カビを見つけたら、早急に塗装メンテナンスをしましょう。
トタン外壁のリフォーム方法【張り替え】
塗装メンテナンスで対応できないほど激しく劣化している場合は、古いトタン外壁を撤去して新しい外壁材に交換する「張り替え」が必要です。
張り替えリフォームにかかる費用は、30坪住宅で150万〜200万円ほど。以下のような劣化がみられた場合は、張り替えをするサインです。
- 穴が開いている、変形している
- 錆びが広がっている、錆びによって端が崩れている
- 寿命(耐用年数)を超えている
1.穴が開いている、変形している
トタン外壁の表面にできた錆びをメンテナンスしないで放置すると、やがて穴が開いたり、形が変わったりします。
すると外壁材に隙間ができ、雨水の侵入によって建物内部の腐食や雨漏りが発生。外壁材だけでなく、建物全体に危険な影響をおよぼします。
トタン外壁の穴開きや変形を見つけたら、早急に張り替えリフォームをしましょう。
2.錆びが広がっている、錆びによって端が崩れている
トタン外壁は傷ついたり、へこんだりすると、塗膜(塗料の膜)が剥がれてトタン素地がむき出しになります。
この時点で塗装をしなければトタンは錆び始め、さらに放っておくと錆びはどんどん広がっていきます。
また、トタン外壁を張り付ける際は外壁の大きさに合わせてカットするため、外壁の端は切断面が見えている状態です。トタンの切断面は亜鉛メッキが施されていないため、雨が降るたびに切断面が濡れてしまいます。
そして長い期間を経て錆びが浸食し、やがてトタン外壁の端が崩れてしまうのです。建物にも大きな負担がかかるため、早急に張り替えをしてください。
3.寿命(耐用年数)を超えている
トタン外壁の寿命(耐用年数)は15〜20年ほど。あまり劣化していないように見えても、防水効果が低下していたり、外壁内部が劣化していたりするケースがあります。
定期的にメンテナンスをしていたとしても、耐用年数を超えたら張り替えリフォームをしましょう。
金属系サイディングやガルバリウム鋼板など、軽量な外壁材への張り替えがおすすめです。
トタン外壁のリフォームにカバー工法はNG!
トタン外壁のリフォームにカバー工法は適しません。理由は以下のとおりです。
- 耐震性の問題:トタン外壁の住宅には適応していない重量増加
- 雨漏りリスク:もらい錆びによって穴開きや変形が起こる
- 腐食のリスク:異なる金属が接触した場合に起こる金属の腐食
そもそもカバー工法とは、既存外壁の上に新しい外壁材を重ねる工法のこと。つまり外壁が2重になっている状態です。そのため、新しい外壁材の重みがプラスされ、建物全体の重量が増えてしまいます。
新築時の耐震設計は軽量なトタンに合わせられているため、重量が増加するカバー工法は適さないというわけです。
また、雨や風で流れてきた錆びが健全な金属に付着した場合、錆びが広がる「もらい錆び」という現象が起こります。古いトタン外壁の錆びを完全に落としきらないと新しい外壁材が錆びてしまい、雨漏りリスクが高くなるのです。
さらに、トタン外壁の上に異なる金属外壁を重ねた場合、重なった箇所に水分があると電気が発生して「ガルバニック腐食」と呼ばれる現象が起こる場合があります。電気が流れることによって金属が酸化しやすくなり、腐食(錆びて)してしまうのです。
これらの理由により、トタン外壁のリフォームはカバー工法でなく、張り替えをしましょう。
トタン外壁の塗装はDIYできる?
「トタン外壁の塗装はDIYできるか」という疑問をよく耳にしますが、結論から言うとDIYによる塗装はおすすめはできません。
確かに、業者に依頼するよりも安い費用で塗装できます。しかし、塗装には専門知識や技術が必要ですし、材料や足場を準備する手間もかかり大変です。
また、高所作業の場合は転落事故につながる恐れもあるため、トタン外壁の塗装は業者に依頼することを強くおすすめします。
トタン外壁のリフォームは川越市のルーフカベドクターにお任せ!
弊社ルーフカベドクターは、川越市にある地域密着型の外壁・屋根塗装専門店です。トタン外壁の塗装や張り替え工事を含め、施工実績は7,000件以上。長年にわたり、川越市エリアを中心に多くの工事を手掛けてきました。
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