瓦屋根のメンテナンス方法は?点検のポイントや塗装時の注意点も解説
2022.11.27 (Sun) 更新
耐久性が高く、断熱性・遮音性に優れる瓦屋根。しかし、瓦といってもさまざまな種類があり、適切なメンテナンス方法や時期が異なることはご存じでしょうか。
そこで本記事では、瓦屋根のメンテナンス方法について下記のポイントを解説しています。
- 瓦屋根の種類
- 瓦屋根の点検チェックポイント
- 瓦屋根のメンテナンス方法と費用相場
- 瓦屋根を塗装するときの注意点
瓦屋根の補修やメンテナンスを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
もくじ
瓦屋根の種類
瓦屋根は主に「和瓦・洋瓦」「モニエル瓦」「セメント瓦」「スレート瓦」の4種類があります。
まずは、それぞれの特徴やメンテナンス方法を確認しておきましょう。
耐用年数 |
特徴 |
メンテナンス時期 |
|
和瓦 洋瓦(粘土) |
40~100年 |
粘土でできており耐久性が高い 断熱性、遮音性に優れている |
塗装は不要 漆喰(しっくい)は築15年を目安に補修が必要 |
モニエル瓦 |
20~30年 |
セメントが主原料 特殊な着色剤が使われている |
築10~15年で塗装が必要 |
セメント瓦 |
20~30年 |
セメントが主原料 厚みがあり重厚感がある |
築10~15年で塗装が必要 |
スレート瓦 |
20~30年 |
セメントが主原料 薄い板状の屋根材 軽くて耐震性に優れている 新築の半数以上に採用されている |
築7~10年で塗装が必要 |
瓦屋根の点検チェックポイント
適切なタイミングでメンテナンスを行うには、日頃からの点検が非常に大切です。不具合が大きくなる前に変化を見逃さないようにしましょう。
チェックする際は「2階の窓から1階の屋根を確認する」あるいは「スマートフォンを自撮り棒などに取り付けて屋根を撮影する」方法がおすすめです。屋根の上は大変危険なため、自己判断で登らないようにしてください。
点検する際にチェックしたいポイントは、以下の5点です。
- 棟瓦がずれていないか
- 割れや欠けがないか
- 瓦がずれたり外れたりしていないか
- 漆喰に剥がれや崩れがないか
- 板金が劣化していないか
それぞれ詳しく解説します。
棟瓦がずれていないか
棟瓦とは、屋根と屋根の接合部分を覆う瓦を指します。まずはこの棟瓦がずれて歪んでいないかをチェックしましょう。
棟瓦は屋根の一番高い場所に位置するため雨や風の影響を受けやすく、雨漏りの原因になりやすい箇所です。
割れや欠けがないか
耐久性に優れた瓦でも、地震や雪の重み、台風時の飛来物などによって割れることがあります。
割れや欠けた部分から雨水が浸入し、雨漏りにつながる可能性があります。
瓦がずれたり外れたりしていないか
瓦は重さがあるため、1枚ずれただけでも全体のバランスが崩れ、重大な事故につながりかねません。
ずれたり外れたりしていると、強風や揺れによって落下する危険性があります。
漆喰に剥がれや崩れがないか
漆喰とは石灰が主成分の建材です。棟と瓦の隙間を埋め、瓦の下にある台土や下地を守る役割があります。
瓦は長いもので50~100年もつといわれていますが、漆喰の寿命は20年前後。20年を過ぎると表面が剥がれて崩れてきます。
放置していると雨漏りや崩れた漆喰が雨樋に詰まる原因になります。
板金が劣化していないか
屋根には雨水を効率よく排出するために、板金部材が使われています。たとえば、屋根面が交わる「谷板金」や軒先部分に設置される「軒先水切り」などがあります。
雨水を集めて排出する役割があるため、不具合が起これば雨漏りが起こりやすい箇所です。サビや歪み、浮きがないかをチェックしましょう。
瓦屋根のメンテナンス方法と費用相場
瓦を長持ちさせるためには、適切なタイミングで瓦の種類に応じた補修を行うことが大切です。
ここからは、瓦に適したメンテナンス方法と費用相場をご紹介します。
メンテナンス方法 |
費用相場 |
瓦の一部交換 |
2~5万円 |
漆喰の詰め直し |
25~50万円 |
棟瓦の取り直し |
50~170万円 |
葺き直し |
120~180万円 |
屋根塗装 |
40~70万円 |
葺き替え |
70~240万円 |
瓦の一部交換
費用相場:2~5万円
欠けたり割れたりした瓦を一部入れ替える程度だと、補修費用は2~5万円が相場です。
ただし、交換する瓦の枚数が多く足場の設置が必要になる場合は、足場費用として追加で10~20万円ほど必要になります。
漆喰の詰め直し
費用相場:25~50万円
瓦屋根の棟部分に使用されている漆喰は、15年を目安に詰め直しが必要になります。費用相場は、足場代を含めて25~50万円ほど。
屋根勾配や下地の劣化具合、施工範囲によっても金額が変わります。
棟瓦の取り直し
費用相場:50~170万円
棟瓦の取り直しとは、棟瓦をすべて解体し、新しく組み直す工事のことです。瓦や下地の漆喰や葺き土を取り除き、防水シートも取り替えます。
棟瓦は20~30年おきにメンテナンスが必要です。
葺き直し
費用相場:120~180万円
瓦屋根の「葺き直し」とは、下地材を取り替える工事のこと。
瓦を撤去し、下地材や防水シートを交換してから、瓦を元に戻します。既存の瓦を再利用するため、耐久性が高く寿命が長い粘土瓦(和瓦・洋瓦)のケースに適しています。
屋根塗装
費用相場:40~70万円
屋根塗装の費用相場は、40~70万円ほど。塗装面積や使用する塗料によって金額が変わります。
セメントが主原料の瓦(モニエル瓦・セメント瓦・スレート瓦)は、7~10年に1回を目安に定期的な塗装が必要です。塗装が必要な瓦かどうかわからない場合は、一度業者にみてもらうとよいでしょう。
葺き替え
費用相場:70~240万円
瓦の老朽化が進み、部分補修で対応できない場合は、新しい屋根材に取り替える「葺き替え」工事が必要になります。
「葺き替え」にかかる費用相場は、一般的な戸建て住宅で70~240万円ほど。使用する屋根材の種類や屋根の形状によって金額が変わります。
瓦屋根を塗装するときの注意点
瓦屋根を塗装する際は以下の2点に気をつけましょう。
セメント瓦は劣化する前に塗装する
セメント瓦は、塗膜が劣化する前に塗装することが大切です。
経年劣化によりセメント瓦の塗膜が剥がれると、セメント基材がむき出しになり、雨水によって少しずつ流れ落ちてしまいます。
セメント瓦の表面がざらざらとしていたら劣化のサイン。風化した部分を元に戻すことはできないので、劣化症状を発見したら早めに塗装を行いましょう。
モニエル瓦は施工に専門知識が要求される
モニエル瓦には「スラリー」という特殊な着色剤が使われており、塗装の際は瓦の表面にあるスラリー層をしっかり除去しなければいけません。
スラリー層が残った状態で塗装をすると、塗料の密着が悪く、早期に剥がれてきてしまう可能性が高くなります。モニエル瓦の塗装には専門的な知識と技術が必要なため、実績が豊富な塗装専門業者に依頼しましょう。
瓦屋根を塗装するときは塗装専門業者に依頼しよう
屋根塗装は、プロの業者であっても転落事故が起きることもある危険な作業です。DIYで行うのはおすすめしません。
また瓦にはアスベストが含まれていることもあります。アスベストは専門業者による撤去が法律によって義務づけられているため、DIYで撤去することはできません。瓦屋根の塗装は、専門業者に依頼しましょう。
瓦屋根の塗装ならルーフカベドクターにお任せ!
瓦屋根といってもさまざまな種類があり、それぞれに必要なメンテナンスが異なります。和瓦や洋瓦など粘土でできた瓦には塗装は不要ですが、漆喰や板金など瓦以外のメンテナンスが必要です。
またモニエル瓦やスレート瓦など、セメントでできた瓦は瓦自体に防水性がないため、7~10年に1回を目安に塗装によるメンテナンスが必要です。
ルーフカベドクターは、地域密着型の外壁・屋根塗装専門業者です。埼玉県川越市エリアを中心に、45年にわたり数多くの工事を手掛けてきました。
- 瓦の色あせが気になっている
- 新築のようなツヤをよみがえらせたい
- 実績のある屋根塗装業者に依頼したい
このようにお考えの方は、ぜひルーフカベドクターにお問い合わせください。お住まいに合わせて最適な施工を提案いたします。