コロニアル屋根のメンテナンス方法は?費用相場や塗装の注意点を解説
2022.12.19 (Mon) 更新
コロニアル屋根は、スレート屋根の一種で、日本の住宅でよく使用されている屋根材です。屋根は常に紫外線や雨風の影響を受けて劣化しやすいため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
そこで本記事では、コロニアル屋根のメンテナンス方法について下記を中心に解説しています。
- コロニアル屋根の種類
- コロニアル屋根の劣化症状
- コロニアル屋根のメンテナンス方法と費用相場
- コロニアル屋根を塗装するときの注意点
「コロニアル屋根のメンテナンスを検討している」という方はぜひ参考にしてくださいね。
もくじ
コロニアル屋根の種類
コロニアル屋根とは、外装建材の大手メーカー「ケイミュー」が販売しているスレート屋根の商品名です。
スレート屋根とは、セメントを主成分とした厚さ5mmほどの薄い板状の屋根材。製造時期によって特徴が異なります。
製造時期 |
特徴 |
商品名 |
耐用年数 |
|
第一世代 |
2000年以前 |
アスベストが含まれている |
ニューコロニアル |
30~40年 |
第二世代 |
2000年代初頭~半ば |
ノンアスベスト 耐久性が低くひび割れやすい |
コロニアルNEO |
15~25年 |
第三世代 |
2008年以降 |
ノンアスベスト 第二世代よりも耐久性が向上 |
コロニアルクァッド コロニアルグラッサ |
30年 |
製造時期別に特徴や耐用年数を紹介します。
第一世代
2000年以前に作られた第一世代(ニューコロニアル)の特徴は、耐久性に優れたアスベストが含まれており、耐用年数が長いのが特徴です。
しかし健康被害の危険性から、現在はアスベストを含有する製品の製造は法律で禁止されています。
第二世代
2000年代初頭~半ばにかけて製造された第二世代(コロニアルNEO)には、アスベストが含まれていません。
アスベストの代替品となる繊維を含有していますが、欠けや割れ・変色が起こりやすく、急速に劣化が進んでしまう欠点があります。
第三世代
2008年に販売を開始した第三世代(コロニアルクァッド、コロニアルグラッサ)は、第二世代の弱点が改良されており、近年の住宅でよく使われている屋根材です。
耐用年数は30年とされていますが、販売開始から10年程度しか経っていないため、実際の評価は現時点においては十分ではありません。
コロニアル屋根の劣化症状
コロニアル屋根に以下のような劣化症状が見られたら、プロによる補修を検討しましょう。
・色あせ
・ひび割れ・反り
・コケやカビ・藻
・下地材の腐食
・板金部分の劣化
・棟板金のサビや釘抜け
それぞれ詳しく解説します。
色あせ
紫外線や雨風の影響によって塗膜が劣化すると、少しずつ色あせが進行します。
色あせは劣化症状の初期段階のため、それほど緊急性は高くありませんが、放っておくと劣化を早めてしまうことにつながります。
ひび割れ・反り
コロニアル屋根は薄い板状の屋根材でできているため、ひび割れや欠けが起こりやすい特徴があります。築10年以上になると多数のひび割れが発生していることも少なくありません。
また屋根材の反りは、劣化がかなり進んでいる証拠。水分を含む→乾燥するを繰り返すことで、屋根材が変形し元に戻らなくなっている状態です。ひび割れや反りが部分的でもあっても全体が劣化している可能性があるため、早めの補修をおすすめします。
コケ・カビ・藻の発生
塗膜が劣化し防水性が低下すると、屋根材に苔やカビ・藻が発生することがあります。
苔やカビ・藻は、建物の美観を損ねるだけでなく、水分を溜め込む原因となるため屋根材の劣化を進めてしまうおそれがあります。
下地材の腐食
雨漏りが発生しているケースでは、屋根材だけでなく野地板や防水シートなどの下地材までダメージが及んでいる可能性が高いです。
下地材を補修するためには、屋根材を剥がさなければいけません。コロニアル屋根は剥がすと再利用できないため、下地材が傷んでいる場合は新しい屋根材に交換する工事(葺き替え)が必要になります。
棟板金のサビや釘抜け
棟板金とは、屋根の一番高いところにある板金部材を指し、内部に雨水が入らないようにする役割があります。
棟板金自体のサビや固定している釘が抜けはじめたら要注意。そのまま放っておくと、強風により飛ばされてしまうおそれがあります。
コロニアル屋根のメンテナンス方法と費用相場
コロニアル屋根のメンテナンス方法には「部分補修」「屋根塗装」「全体補修」の3種類があります。それぞれの補修時期目安と費用相場を解説します。
補修時期目安 |
費用相場 |
|
部分補修 |
築10年 |
1~15万円 |
屋根塗装 |
築8~10年 |
30~80万円 |
全体補修 |
築35年~ |
100~300万円 |
部分補修
費用相場
・コーキングによるひび割れ補修 1~3万円
・屋根材の一部交換 1~5万円
・棟板金の補修 25~30万円(足場代を含む)
劣化具合によっては、コーキングによるひび割れ補修・屋根材の一部交換・棟板金の補修など、部分的なメンテナンスで対応できる場合もあります。
ひび割れ補修や屋根材の交換で足場が必要な場合は、設置費用がプラス10~20万円ほどかかります。
屋根塗装
費用相場:30~80万円
色あせやカビなどの劣化症状が見られる場合や、築8~10年ほど経過している場合は、塗り替えがおすすめです。
塗装は外観の美しさをよみがえらせるだけでなく、防水性を高め、雨や紫外線から建物を守り劣化を防いでくれる役割があります。
全体補修
雨漏りが発生している場合や築35年以上経っている場合は「カバー工法」もしくは「葺き替え」を検討しましょう。
カバー工法
費用相場:80~130万円
「カバー工法」とは、既存の屋根材の上から新しい屋根材を重ねる工法です。
既存の屋根材を撤去する必要がないため、アスベストを含んでいる屋根材の場合はカバー工法で工事をすることが多いです。
葺き替え
費用相場:60~200万
「葺き替え」は、既存の屋根材を撤去して新しい屋根材に取り替える工法です。
屋根材を撤去する分費用はかかりますが、この先10年以上住み続けるならカバー工法よりも葺き替えをおすすめします。
下地材から新しくするため、雨漏りなどのトラブルを根本から改善できます。
コロニアル屋根を塗装するときの注意点
誤った塗装を行うとかえって屋根を傷めてしまうことも。コロニアル屋根を塗装する際は、以下の2点に気をつけましょう。
第二世代のコロニアルには塗装はNG
第二世代のコロニアル屋根(コロニアルNEO)の場合は、塗装によるメンテナンスはおすすめしません。耐久性が低いため、職人が屋根に登っただけでも割れたり欠けたりするおそれがあるためです。
割れや欠けが多数ある状態では、塗装をしても意味がありません。カバー工法もしくは葺き替えを検討しましょう。
縁切りが行われているかを確認する
縁切りとは、コロニアル屋根の塗装を行う際、屋根材が重なっている部分を塗膜で塞がないように切り離す作業のことです。
縁切りを行わないと、雨水が適切に排出されなくなるため、下地材の腐食や室内への雨漏りを招く原因になります。
コロニアル屋根に塗装を行う際は、縁切り作業が行われているかを必ず確認しましょう。
コロニアル屋根の塗装ならルーフカベドクターにお任せ!
コロニアル屋根を長持ちさせるためには、劣化症状が見られなくても10年に1回を目安に塗装を行いましょう。
ただし、第二世代に当たる「コロニアルNEO」の場合は、塗装できないため注意が必要です。ご自宅の屋根材がどの製品を使っているかわからない場合は、一度プロによる診断を受けることをおすすめします。
ルーフカベドクターは、川越市エリアを中心とした屋根・外壁塗装の専門業者です。創業年数は45年を迎え、これまでの施工実績は7,000件を超えております。
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