外壁に発生する凍害とは?対処法や予防策・補修費用相場も解説
2023.01.23 (Mon) 更新
外壁の塗膜の剥がれや欠損は、もしかすると凍害が原因かもしれません。凍害は外壁に起こる劣化症状のなかでも危険な症状の一つで、見つけたら早めの対処が必要です。
そこで本記事では、外壁に起こる凍害について下記を中心に解説しています。
- 凍害とは?
- 外壁に凍害が起こる原因
- 凍害が発生しやすい場所
- 凍害が起きたときの対処法と補修費用相場
凍害の予防策も紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
もくじ
凍害とは?
凍害とは、外壁のひび割れや隙間から入りこんだ水分が凍ることで発生する劣化症状です。
水分は凍ると体積が増える性質があるため、急激な温度変化により凍結と融解を繰り返すことで、外壁にダメージを与えてしまいます。その結果、外壁の表面がボロボロに剥がれたり、外壁材が割れたりといった症状が起こるのです。
凍害の種類
凍害の代表的な症状は以下の3つです。いずれも最低気温が-2℃以下となる寒冷地で起こりやすい現象です。
ひび割れ |
コンクリート内の水分が凍結、膨張することによって発生 |
スケーリング |
外壁表面のセメントペーストが剥がれ落ちる現象 |
ポップアウト現象 |
コンクリートの表面が薄い皿状に剥がれ落ちる現象 |
外壁に凍害が起こる原因
外壁に凍害が起こる原因は、経年劣化によるものです。具体的には、下記のメカニズムによって発生します。
- 塗膜が劣化し、耐水性が低下する
- 隙間から雨水や湿気が侵入する
- 凍結・膨張を繰り返し、外壁にダメージを与える
- ひび割れ部分からさらに水分が浸入し劣化がすすむ
- 外壁材の割れや剥離が起こる
冬の平均気温が低くなる寒冷地ではとくに発生率が高くなりますが、寒冷地以外でも油断はできません。関東や関西の平地でも0℃を下回る地域では、凍害が発生する可能性があります。
外壁材のなかでも窯業系サイディングは水分を吸収しやすいセメントが主成分のため、とくに凍害が起こりやすい傾向があります。
外壁で凍害が発生しやすい場所
以下の場所では、とくに凍害が起こりやすくなっているので注意しましょう。
- 北側の外壁
- 水回りに面している外壁
- サイディング外壁の目地
- 窓サッシの下
それぞれを簡単に解説します。
北側の外壁
日の当たらない北側の外壁は、雨が降っても乾きにくいため水分がとどまりやすく、凍害が発生しやすい箇所です。
水回りに面している外壁
お風呂場やキッチン、洗面所、トイレなど水回りに面している外壁は湿気が多くなるため、他の面に比べて凍害が起こりやすいです。
サイディング外壁の目地
外壁の目地部分のことをコーキングといいます。コーキングが経年劣化によって痩せてくると、外壁との隙間に水分が入り込むため、凍害が起こりやすくなります。
窓サッシの下
窓サッシの下は、サッシ自体の重みや外壁材との歪みによってもともとひび割れが起こりやすい箇所です。雨の後などはひび割れに水分が溜まりやすく、凍害を招いてしまいます。
外壁の凍害を放置してはいけない理由
1本のひび割れでも凍害を放っておくと、外壁の劣化が急速に進んでしまうおそれがあります。
凍害により素地がむき出しになっている箇所は、防水性が失われ、外壁に穴が空いているのと同じ状態です。そのまま放置していると建物の内部まで直接水分が入り込んでしまうため、家の寿命を大きく縮めてしまうことにつながります。
内部の補修や外壁の全面張り替えなどは、大きな工事となり数十万円かかってしまうことも珍しくありません。凍害を放置していると補修費用が高額になるため、怪しい症状を見つけたら、早めの対処が重要です。
外壁に凍害が起きたときの対処法と補修費用相場
外壁に凍害が起こってしまったときは症状にあわせて適切な対処を行いましょう。主な補修方法は「部分補修」「外壁塗装」「カバー工法」「張り替え工法」の4種類です。
ここからは、それぞれの補修にかかる費用相場を紹介します。
方法 |
費用相場 |
部分補修 |
1~5万円 |
外壁塗装 |
60~90万円 |
カバー工法 |
150~200万円 |
張り替え工法 |
200~300万 |
部分補修
費用相場:1~5万円
ひび割れが小さい場合は、パテによる補修を行います。費用相場は補修面積にもよりますが1箇所で1~5万円ほどが目安です。
すでに内部まで水分が侵入している場合は、水分を閉じ込めてしまうと逆効果になるため、パテ補修は適していません。
外壁塗装
費用相場:60~90万円
外壁塗装の費用相場は、一般的な戸建て住宅で60~90万円ほどです。塗料のグレードにもよりますが、10年に1回を目安に塗り替えましょう。
カバー工法
費用相場:150~200万円
カバー工法とは、既存の外壁材の上から新しい外壁材を重ねる工法を指します。
既存の外壁を撤去する手間がかからないので、張り替え工法に比べて補修費用を安く抑えられるのが特徴です。ただし、劣化がひどい場合は施工できないこともあります。
張り替え工法
費用相場:200~300万円(部分的な張り替えの場合は10万円前後/枚)
張り替え工法とは、既存の外壁材を取り除き新しい外壁材を設置する工法です。
建材のグレードによって費用は変わりますが、全面張り替えた場合で200~300万円が相場となります。部分的な張り替えで済む場合は、1枚あたり10万円前後が目安です。
凍害を根本的に対処したい場合や、塗装で補修できない場合は、全面張り替えが適しています。
凍害の予防策
凍害の予防策として効果的なのは以下の3点です。
- 定期点検を受ける
- 適切なタイミングで外壁塗装を行う
- 外壁通気工法にリフォームする
それぞれみていきましょう。
定期点検を受ける
凍害の予防策としてもっとも効果的な方法は、専門業者による定期点検を受けることです。小さなひび割れのうちに対処できれば、大きな費用が必要になることはありません。
業者の多くは無料点検を行っているので、サッシ下のヒビ割れやコーキングの劣化具合などをチェックしてもらいましょう。点検のタイミングは、窯業系サイディングの場合で7~8年に1回、それ以外の場合は10年に1回が目安です。
適切なタイミングで外壁塗装を行う
外壁塗装は美観を蘇らせるだけでなく、雨水や湿気から家を守ってくれる防水の役割があります。
防水効果が切れるタイミングで外壁塗装を行うことで、外壁の劣化を防げるため、凍害予防につながります。住まいを長持ちさせるためにも、10年に1回を目安に塗り替えましょう。
外壁通気工法にリフォームする
湿気が溜まりやすい直貼り工法の場合は、通気工法にリフォームするのがおすすめです。
通気工法にリフォームすると、サイディングの裏に空気の層ができるため、湿気がこもりにくくなります。コストはかかるものの、凍害の根本的な対策として効果的です。
2000年以降は通気工法が標準になっていますが、ご自宅の工法が不明な場合は業者に診てもらうとよいでしょう。
外壁の凍害を補修するのに火災保険は使える?
火災保険は火災だけでなく、雪や台風などの自然災害による損害でも適用できることがあります。
凍害による補修でも補償内容によっては火災保険の対象になる可能性があるため、現在加入している保険内容をチェックしてみましょう。
凍害による外壁補修・塗装ならルーフカベドクターにお任せ!
凍害は一度発生すると外壁の劣化が急速に進み、放置していると大規模な補修が必要になってしまうおそれがあります。凍害と思われる症状やひび割れを発見したら、早めに業者へ相談しましょう。
ルーフカベドクターは、川越市エリアを中心とした屋根・外壁塗装の専門業者です。
創業年数は45年を迎え、これまでの施工実績は7,000件以上!凍害による補修工事も数多く手がけております。
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