外壁のひび割れはすぐに補修が必要?放置するリスクや補修費用を解説
2021.09.30 (Thu) 更新
「自宅外壁にひび割れができているけど、どう対処すればいいかわからない…」
外壁のひび割れは、決して放置していいものではありません。最悪の場合、建物が崩壊する恐れもあるため、早めの対処が必要です。
本記事では、外壁がひび割れる原因をはじめ、補修の必要性や放置リスクについて丁寧に解説します。
もくじ
外壁がひび割れる原因は?
外壁がひび割れる原因は1つではありません。以下で詳しく解説します。
1.経年劣化
外壁がひび割れる原因1つめは「経年劣化」です。
常に紫外線や雨風の影響を受けている外壁。年月の経過とともに外壁表面にある塗膜(塗料の膜)が劣化し、ひび割れが起こります。
どんな塗料にも寿命があるため経年劣化を避けることはできませんが、定期的にメンテナンスをすれば問題ありません。
ただし、メンテナンスを怠るとひび割れにつながるため注意が必要です。
2.施工不良
外壁がひび割れる原因2つめは「施工不良」です。
塗料が乾く前に次の工程に進んだ、外壁材に適した下塗り塗料を使用した場合は、塗膜(塗料の膜)がひび割れる原因になります。
外壁を塗装してから3年以内にひび割れが起きたら、施工不良を疑いましょう。
また、建物の耐震性を高めるための補強材(筋交い)が不足していると、外壁材がひび割れる原因になります。
3.揺れや振動
外壁がひび割れる原因3つめは「揺れや振動」です。
車や電車が通過した時、強風が吹いた時、地震が起きた時などに生じた振動が外壁に伝わり、塗膜(塗料の膜)がひび割れることがあります。
交通量の多い道路や線路沿いに自宅がある場合は日常的に振動を受けているため、こまめに外壁をチェックするとよいでしょう。
また、強い揺れを受けた場合は塗膜(塗料の膜)のみならず、外壁材や構造体までひび割れる恐れがあります。
4.地盤不良
外壁がひび割れる原因4つめは「地盤不良」です。
地盤が弱いと建物の重さに耐えきれず、家が傾いたり沈んだりすることがあります。すると基礎が建物を支えきれなくなり、塗膜(塗料の膜)や外壁材にひび割れっが生じます。
ひび割れが基礎にまで及ぶと建物が倒壊する恐れがあるため、注意が必要です。
外壁のひび割れを発見!すぐに補修が必要?
外壁のひび割れは程度によって種類分けされており、それぞれ対処法が異なります。以下で詳しく見ていきましょう。
幅0.3mm以下のひび割れは経過観察を
幅0.3mm以下のひび割れは、塗膜(塗料の膜)に生じる軽度のひび割れです。髪の毛のように細いことから「ヘアークラック」と呼ばれています。
まだ外壁材や構造体への影響はないため、今すぐに補修する必要はありません。しばらく経過観察して様子を見ましょう。
もしもこの段階で補修を考えているのであれば、外壁塗装で対処可能です。
幅0.3mm以上のひび割れは点検・相談が必要
幅0.3mm以上のひび割れは、外壁材に生じる中度のひび割れです。外的要因や構造的欠陥が原因で構造体が歪んで起こるひび割れなので「構造クラック」と呼ばれています。
一口で「構造クラック」と言っても段階があり、幅0.3~1mmのひび割れは初期段階の構造クラックになります。ひび割れが広がる前に点検を依頼し、補修の必要性を相談しましょう。
構造クラックの補修方法は、カットシール材充填工法をした後、塗装で仕上げます。
幅1mm以上のひび割れは補修が必要
幅1mm以上のひび割れは、外壁材だけではなく、下地や構造部分まで達している可能性のある中~重度のひび割れです。段階で表すと中期段階の構造クラックになります。
そのまま放っておくとひび割れ箇所から雨水が侵入し、構造体の劣化や腐食を招くことに…。これ以上ひび割れが悪化しないよう、早めの補修が大切です。
外壁のひび割れ補修と同時に、下地や構造部分の点検もしてもらいましょう。
幅3mm以上のひび割れは早急な補修が必要
幅3mm以上のひび割れは、構造部分まで達する重度のひび割れです。建物内部に雨水が侵入している可能性が高い末期段階の構造クラックになるため、早急な補修が必要になります。
すぐに補修しないと柱や梁(はり)まで雨水が浸水し、建物に大きなダメージをあたえることに…。詳しくは次の章で解説しますが、放置すると建物が倒壊する恐れもあるため、すぐに専門業者に連絡してください。
外壁のひび割れを放置するとどうなるの?
外壁のひび割れを放置すると、以下のような状態になる恐れがあります。
雨漏りの発生 |
ひび割れ箇所から雨水が侵入し、最終的に室内の雨漏りに発展する |
建物内部の腐食 |
ひび割れ箇所から侵入した雨水により、柱や梁(はり)などの構造体を腐食させる |
シロアリの発生 |
構造体が湿って柔らかくなるとシロアリが発生し、木材が食べられボロボロになる |
カビの発生 |
外壁内部の湿度が高くなるとカビが発生し、アレルギーや感染症など人体に悪影響をおよぼす |
雨漏りが起これば日常生活に支障をきたし、構造体の腐食やシロアリの発生は建物の傾きや倒壊の危険性を招きます。
また、カビ菌による人体への影響も大きな問題です。アレルギーや感染症の発生は、時に命に関わる重大な健康リスクにつながる場合もあります。
自宅を守るため、そして家族の健康を守るためにも、外壁のひび割れは放置せずに早めに補修しましょう。
外壁のひび割れ補修にかかる費用
外壁のひび割れ補修にかかる費用は、ひび割れの種類や補修方法によって異なります。
まずは、小さなひび割れや狭範囲なひび割れを部分的に補修する場合の費用相場を見ていきましょう。
補修方法 |
単価・費用相場 |
ひび割れ補修 |
【単価】1,700~2,500円/平方メートル 【費用相場】1万~5万円 |
シーリング打ち増し |
【単価】700~900円/メートル 【費用相場】5~20万円 |
シーリング打ち替え |
【単価】900~1,200円/メートル 【費用相場】5~50万円 |
※高所作業の場合は足場代が別途必要
続いて、外壁塗装で全体的にひび割れ補修する場合の費用相場を見ていきましょう。
補修方法 |
費用相場(30坪住宅の場合) |
モルタル外壁塗装 |
60万~80万円 |
サイディング外壁塗装 (シーリング込み) |
60万~100万円 |
塗料のグレードによっては上記の金額よりも高くなる場合があります。求める機能性や希望の予算などを業者に相談しながら、自宅の外壁に適した塗料を選んでください。
外壁のひび割れはDIYで補修できるの?
幅0.3mm以下の軽度のひび割れ(ヘアークラック)であれば、DIYで補修可能です。外壁のひび割れをDIYで補修する方法としては、以下の2種類があげられます。
チョーク式 |
【補修方法】ひび割れ箇所にセメントチョークを手ですり込む 【メリット】無駄なくセメントをすり込める 【デメリット】すり込む際に指圧を加えるため時間や体力を要する |
スプレー式 |
【補修方法】セメントの粉を噴射して定着させる 【メリット】チョーク式よりも手間や時間がかからない 【デメリット】セメントの粉がまわりに飛び散る |
ただし、高所のひび割れは落下事故につながる恐れがあるため、絶対に自分で補修しないでください。地上から手が届く範囲のみの補修に留めておきましょう。
また、DIYによるひび割れ補修はあくまで応急処置であり、確実に進行を防いだというわけではありません。DIYで補修した後も定期的に外壁をチェックし、再度ひび割れが目立ってきた場合はプロの業者に依頼しましょう。
外壁のひび割れ補修は地元のプロに依頼しよう
外壁のひび割れを放置すると雨漏りや構造体の腐食、シロアリやカビの発生など、建物にも人体にも大きな影響をあたえる恐れがあります。
「これくらいなら大丈夫か」と安易に考えるのではなく、大事になる前に地元のプロに相談しましょう。
弊社ルーフカベドクターでは無料建物診断を実施しております。
- すぐに補修が必要なひび割れなのか調べてほしい
- 補修費用がどれくらいかかるか知りたい
- 自宅外壁の劣化具合を知りたい
このような疑問や不安がございましたら、お気軽に弊社までお問い合わせください。