外壁カバー工法とは?メリット・デメリット、費用を徹底解説
2021.12.26 (Sun) 更新
外壁工事の種類のひとつに「カバー工法」というリフォームがあるのをご存知でしょうか。
外壁カバー工法とはその名のとおり「古い外壁を新しい外壁材で覆ってきれいにする」工事のことです。外壁を丸ごと張り替えるよりも、短い日数かつ安い費用で工事を終えること大きなメリットと言えるでしょう。
とはいえ、外壁カバー工法にはデメリットも存在します。リフォームするにあたり注意しなければいけない点もあるため、外壁カバー工法がどのような工事なのかを把握することが大切です。
そこで本記事では、外壁カバー工法のメリット・デメリット、費用について解説します。外壁工事を検討中の人は、ぜひ参考にしてください。
もくじ
外壁カバー工法とは
外壁カバー工法とは、既存の外壁の上に新しい外壁材を張り付ける工法のことです。別名「重ね張り」と呼ぶこともあります。
建物になるべく負担がかからないよう、重ねる外壁材は軽量な金属サイディングを使用するのが一般的です。
外壁カバー工法にかかる工事日数は2~3週間ほどで、以下のような流れで施工します。
工事項目 |
工事内容 |
1.足場設置 |
高所作業の安全性・作業性を確保するために足場を設置する |
2.付帯部塗装 |
サイディングが張れない軒天、庇、破風板などは塗装にてメンテナンスする |
3.水切り(みずきり)取り付け |
外壁と基礎の間に取り付ける部材で、基礎内部への雨水侵入を防ぐ役割がある |
4.胴縁(どうぶち)取り付け |
既存外壁と新しい外壁の間に空気層を作るための建材で、雨漏りや壁内結露を防ぐ役割がある |
5.見切り縁(みきりぶち)取り付け |
外壁のつなぎ目や窓まわりの隙間をふさぐための部材で、むき出しになった隙間を隠す役割がある |
6.サイディング張り付け |
胴縁の上に金属サイディングを打ち付けた後、歪みや反りがある場合は調整材を使って平にする |
7.出隅役物(でずみやくもの)設置 |
外壁と外壁が交わるコーナー部(出隅)に使う部材のことで、出隅の断面を隠す役割がある |
8.シーリング打ち |
窓まわりや開口部の隙間から雨水が侵入するのを防ぐため、シーリングを充填する |
9.仕上げキャップ取り付け |
外壁と外壁のつなぎ目や窓まわりに取り付ける仕上げ用の部材 |
9.足場解体 |
施工後の点検で不具合などなければ、足場を解体して工事完了 |
外壁カバー工法の3つのメリット
1.張り替えよりも工事費用が安い
既存外壁の撤去作業がないカバー工法は、外壁や下地をすべて新しくする「張り替え」と比べて工事費用が安くなります。
また、アスベスト含有の外壁を使用している住宅の場合、アスベストの処理費用が別途かからないこともメリットです。
2006年以前に建てられた住宅の外壁にはアスベストが含まれている可能性があるため、該当するのであれば外壁カバー工法でのリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。
2.張り替えよりも工期が短い
何度もお伝えしていますが、カバー工法は既存外壁の撤去作業が不要なため、張り替えよりも短い期間で工事が終わります。
それぞれの工事日数の目安は、以下のとおりです。
- 外壁カバー工法:10~14日
- 外壁張り替え:14~21日
外壁カバー工法は、できるだけ早くリフォームを終えたい人にも適している工事と言えるでしょう。
3.断熱性・遮音性が高くなる
外壁カバー工法をすると2枚の外壁材が張り付けてある状態になるため、建物の断熱性や遮音性が高くなります。
断熱や遮音に特化した建材を使用した場合より効果は劣りますが、カバー工法で外壁に厚みが出る分、熱や音が室内に伝わりにくくなり、快適な暮らしが期待できるでしょう。
外壁カバー工法の4つのデメリット
1.建物内部の劣化は修繕できない
カバー工法はあくまで外壁表面をきれいにする工事であって、下地や防湿シートなど建物内部の劣化を修繕することはできません。
建物内部が劣化している場合は、外壁カバー工法ではなく、張り替えによるリフォームが必要です。
もしも建物内部が劣化している状態で外壁カバー工法をすると
- 上から張り付けた外壁材がしっかり固定されずに崩れてくる
- 崩れた箇所から雨水が侵入して雨漏りが発生する
- 建物内部の劣化が進行して耐久性や耐震性が低下する
といった不具合につながる危険があります。「カバー工法のほうが安いから」と費用だけで決めるのではなく、プロによる建物診断の結果をふまえた上で、適切な工法にて外壁リフォームをしてください。
2.カバー工法後の修繕費用が高額になる
既にカバー工法をしている外壁に、再びカバー工法にてリフォームすることはできません。そのため、次回のリフォームは外壁張り替えになるのですが、カバー工法にて2重になっている外壁の撤去作業には多くの手間がかかる分、高額な費用を要します。
金属サイディングの耐用年数は30年ほど。外壁カバー工法をしてから30年以内に建て替えや引っ越しを検討している場合は問題ありませんが、その後も住み続けるのであれば、どれぐらいの修繕費用がかかるか把握してからリフォームに取り掛かることをおすすめします。
次回の外壁張り替えに加え、10年に一度の塗装メンテナスにかかる費用も業者に試算してもらうとよいでしょう。
3.耐震性が低くなる
カバー工法は外壁を2重にする分、建物の総重量が増えて耐震性が低下します。いくら軽量の金属サイディングを張り付けたとしても、施工前よりも重量の増加は避けられません。
だからと言って外壁カバー工法が良くないというわけではなく、国が定める耐震診断をクリアしていれば特に問題はないためご安心ください。
それでも耐震性が気になるようでしたら、張り替えによる外壁リフォームを検討してみてはいかがでしょうか。
4.正しく施工されないと内部結露が発生する恐れがある
カバー工法で外壁リフォームをする際、既存外壁と新しい外壁の間に「空気の通り道」を作らなければ外壁内外の気温差によって内部結露が発生する恐れがあります。
空気の通り道は「胴縁」という建材を既存外壁に取り付けることで確保されるのですが、正しい施工方法や内部結露に対する知識を理解していない業者に依頼すると、あとあと施工不良に悩まされることになるでしょう。
外壁内部の結露は下地や柱の腐食、雨漏り、シロアリの発生といった大きな被害をもたらす危険性があるため、外壁カバー工法の知識や経験が豊富な業者かどうかをしっかり確認してから工事を依頼するように注意してください。
外壁カバー工法の費用相場
30坪住宅(外壁面積125平方メートル・横張り)の外壁カバー工法の費用相場は、およそ169万~222万円です。費用の内訳を以下で見ていきましょう。
工事項目 |
費用相場 |
足場工事(飛散防止ネット含む) |
15万円 |
付帯部塗装(軒天、庇、破風板、鼻隠し、戸袋、雨戸) |
10万円 |
胴縁取り付け |
14万円 |
役物取り付け |
18万円 |
シーリング打ち |
7万円 |
サイディング張り付け(種類によって費用が異なる) |
90万~138万円
|
諸経費(工事費用の10%で計算) |
15万~20万円 |
合計 |
169万~222万円 |
同じ30坪住宅でも建物形状によって外壁面積が変わるため、各工事項目の費用および総額はあくまで目安として参考にしてください。
外壁工事をするなら「カバー工法」と「張り替え」どっちがいい?
ここまでの説明で外壁カバー工法のメリット・デメリット、費用を知り、外壁リフォームをするなら「カバー工法」と「張り替え」どちらを選ぶべきか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
下記の表は「カバー工法」と「張り替え」それぞれの工事の特徴をふまえ、どのような人におすすめなのかをまとめたものです。
カバー工法 |
|
張り替え |
|
どちらの工事にもメリット・デメリットはあるため、業者と相談しながら自宅に合った方法で外壁リフォームをしてくださいね。
外壁カバー工法をするなら川越市のルーフカベドクターにお任せ
弊社ルーフカベドクターは、川越市にある地域密着型の外壁・屋根塗装専門店です。外壁カバー工事を含め、施工実績は7,000件以上。長年にわたり、川越市エリアを中心に多くの工事を手掛けてきました。
外壁が劣化すると下地の腐食や雨漏り、シロアリの発生、耐久性や耐震性の低下など、建物に甚大な被害をおよぼす恐れがあります。
安心・安全に生活していくためにも、外壁の劣化が気になる場合はお気軽に弊社までご相談ください。無料の建物診断をしたのち、自宅外壁の状態に適したリフォーム方法をご提案させていただきます。