スレート屋根とは?種類や寿命、メンテナンス方法、費用などを解説
2022.01.27 (Thu) 更新
スレート屋根は多くの一般住宅で使用されている、非常にポピュラーな屋根材です。「スレート屋根の家に住んでいる」「名前くらいは聞いたことがある」という人も多いかもしれませんね。
本記事では、スレート屋根の種類や寿命、メンテナンス方法などについて詳しくまとめました。
スレート屋根の特徴を知りたい人や、メンテナンスを検討中の人は、ぜひ参考にしてください。
もくじ
スレート屋根とは?
スレート屋根の特徴
スレートとは、粘板岩(粘土質の天然岩石)を加工して造られた屋根材のことです。ヨーロッパのお城や教会などの屋根に使われており、建築業界では「天然スレート」と呼ばれています。
天然スレートは耐久性や防水性、防火性に優れており、数百年たっても劣化せずに現存している屋根があるほど丈夫な屋根材です。
しかし、希少性が高い上に、加工や施工に高度な技術を要するため、他の屋根材よりも費用が高くなります。
そのため日本では、天然スレートに似せて造られた「化粧スレート」を採用するケースが一般的です。
化粧スレートとは、セメントに繊維素材を混ぜたものを薄い板状に加工した屋根材のこと。言わば人工的に造られたスレートです。別名「カラーベスト」「コロニアル」と呼ばれています。
工場で生産されるため形状にばらつきがなく、和洋どちらの住宅にも合わせやすいバリエーション豊かなデザイン。他の屋根材と比べて費用が安いため、多くの一般住宅で採用されています。
スレート屋根の種類
現在の主流である「化粧スレート」には種類があり、下記の4つに分類されます。
種類 |
概要・特徴 |
平形スレート |
平らな形状で、もっともポピュラーなスレート屋根 別名「カラーベスト」「コロニアル」と呼ばれることもある |
厚形スレート |
平形スレートよりも厚みがあり、瓦のようなデザインが特徴 正式名称は「プレスセメント瓦」、現在はほぼ廃盤になっている |
波形スレート |
波を打ったような形状で、平形スレートよりも厚みがある 主に工場や倉庫の屋根材として使われている |
石綿スレート |
石綿(アスベスト)が含まれたスレート屋根 健康被害を懸念し、2006年9月より製造・使用等が全面禁止となる |
スレート屋根の寿命(耐用年数)
化粧スレート屋根の寿命(耐用年数)は15〜25年です。ただし、この年数はあくまで定期的にメンテナンスをした場合の目安となります。
屋根は建物の中でもっとも雨風や紫外線の影響を受けやすい場所です。年月の経過とともに色あせやひび割れなどの劣化症状が現れ、耐久性や防水性が低下します。
劣化したままでは屋根としての機能を失い、雨漏りやシロアリが発生して建物全体に大きな影響をあたえる恐れが…。
スレート屋根の寿命を長持ちさせるには、適切なタイミングでメンテナンスすることが大切です。
スレート屋根に必要なメンテナンスとは?費用相場も紹介
この章では、化粧スレート屋根に必要なメンテナンスを4つ紹介します。
部分的なひび割れ・欠けを補修する「差し替え」
差し替えとは、ひび割れや欠けが起きたスレートのみを新しいスレートに交換するメンテナンスです。屋根全体を修繕するほどではない「部分的な劣化」を補修したい場合に行います。
スレート屋根の差し替えにかかる費用相場は18万〜25万円ほどです。下記で費用の内訳をチェックしていきましょう。
工事項目 |
費用の内訳 |
足場工事 |
15万~17万円 |
スレート差し替え(交換) |
1万~5万円 ※枚数により変動します |
諸経費 |
2万~3万円 |
スレートはひび割れしやすい屋根材のため、5年ごとに専門業者の点検を受けることをおすすめします。
防水性・美観を向上させる「塗装」
化粧スレート自体には防水効果がないため、製造時に塗装することによって防水機能を加えています。
しかし、塗料の効果は永遠に続くものではありません。年月の経過とともに劣化が進み、やがて防水機能が失われるため、定期的な塗装メンテナンスが必要です。
スレート屋根の塗装メンテナンスにかかる費用相場は、30坪住宅で40万〜80万円ほどです。使用する塗料の種類によって費用が変動します。
塗料の種類(耐用年数) |
単価相場(平方メートル) |
費用相場 |
ウレタン(6~8年) |
1,500~2,000円 |
16.1万~21.4万円 |
シリコン(8~12年) |
1,800~2,500円 |
19.3万~26.8万円 |
フッ素(12~15年) |
3,300~4,500円 |
35.3万~48.2万円 |
遮熱(15~20年) |
3,300~4,500円 |
35.3万~48.2万円 |
上記の金額に加え、足場費用やその他の作業費用として20万〜30万円ほどかかります。
塗装メンテナンスの適切な頻度は7〜12年に一度です。ただし、スレート屋根の劣化が激しい場合は塗装メンテナンスができないので注意してください。
屋根と同時に下地も修繕できる「葺き替え」
葺き替えとは、既存屋根を撤去して新しい屋根材に張り替える工事のことです。屋根全体の劣化が気になる場合や、下地や防水シートも修繕したい場合に向いています。
スレート屋根の葺き替えにかかる費用相場は、30坪住宅で70万〜200万円ほどです。葺き替えする屋根材の種類によって費用が変動します。
新しい屋根材(耐用年数) |
単価相場(平方メートル) |
費用相場 |
スレート屋根(15~25年) |
5,000~7,000円 |
70~200万円 |
ガルバリウム鋼板(20~30年) |
6,500~8,000円 |
90万~200万円 |
上記の費用相場は、足場費用やその他の作業費用を含んだ総額になります。
葺き替えは既に雨漏りが発生している場合や、屋根の耐用年数を超えている場合に有効な工事です。
将来的に建て替えや引っ越しの予定がない人は、屋根葺き替え工事を検討してみてはいかがでしょうか。
コストを抑えて屋根全体を修繕できる「カバー工法」
カバー工法とは、既存屋根の上に新しい屋根材を重ねる工事のことです。下地や防水シートが劣化していない屋根に適した工法になります。
スレート屋根のカバー工法にかかる費用相場は、30坪住宅で60万〜130万円ほどです。重ねる屋根材の種類によって費用が変動します。
新しい屋根材(耐用年数) |
単価相場(平方メートル) |
費用相場 |
スレート屋根(15~25年) |
5,000~7,000円 |
60万~110万円 |
ガルバリウム鋼板(20~30年) |
6,500~8,000円 |
80万~130万円 |
上記の費用相場は、足場費用やその他の作業費用を含んだ総額になります。
カバー工法は葺き替えよりも工事費用が安いため、コストを抑えて屋根工事したい人におすすめです。ただし、下記の2点に注意してください。
- 既に雨漏りしている場合は施工できない
- カバー工法した屋根に再びカバー工法はできない
カバー工法にてスレート屋根のメンテナンスをする場合は、次の屋根工事のことも考慮した上で工事を進めることをおすすめします。
アスベスト含有のスレート屋根があるって本当?
結論から言うと、2006年以前に製造されたスレート屋根にはアスベストが含まれている可能性が高いとされています。
そもそもアスベストとは、熱や電気を通しにくい、摩擦に強い、丈夫で変化しにくいなどの特性をもっている天然の鉱物繊維のこと。このような特性を活かし、以前は多くの建材に使用されていました。
しかし、アスベストの繊維を吸い込むと発がん性があることがわかり、2006年9月1日より製造や輸入、譲渡、提供、使用が禁止されたのです。
アスベスト含有の代表的なスレート屋根は
- 旧クボタ「コロニアル」
- 旧クボタ「アーバニー」
などがあげられます。
自宅のスレート屋根かアスベスト含有かどうかを確認するには、図面にて商品名をチェックする、もしくは業者に点検してもらいましょう。
もしもアスベスト含有のスレート屋根を葺き替えにてメンテナンスする場合は、アスベストの処理費用として1平方メートルあたり20,000〜85,000円ほど別途必要です。
スレート屋根のメンテナンスは川越市のルーフカベドクターにお任せ!
弊社ルーフカベドクターは、川越市にある地域密着型の外壁・屋根塗装専門店です。スレート屋根のメンテナンスを含め、施工実績は7,000件以上。長年にわたり、川越市エリアを中心に多くの工事を手掛けてきました。
スレート屋根には塗装や葺き替えなど、定期的なメンテナンスが必要です。劣化状態や耐用年数に合わせてメンテナンスすることで、下地の腐食や雨漏りなどの予防につながります。
スレート屋根の劣化が気になる場合はお気軽に弊社までご相談ください。無料の建物診断をしたのち、自宅屋根の状態に適したリフォーム方法をご提案させていただきます。