【屋根・外壁】カバー工法とは?費用やメリット・デメリットを解説
2022.02.26 (Sat) 更新
本記事は、屋根・外壁リフォームのひとつ「カバー工法」について詳しくまとめたものです。
- 自宅の屋根や外壁のリフォーム方法について悩んでいる
- カバー工法にかかる費用を知りたい
- カバー工法にはどんなメリットがあるのか知りたい
上記のような悩みや疑問を抱いている人は、ぜひ最後までお読みください。屋根・外壁カバー工法にかかる費用をはじめ、メリット・デメリットなどを丁寧に解説します。
もくじ
カバー工法とは?
カバー工法とは、今ある屋根や外壁の上に新しい建材をかぶせる工法のこと。建材が2重になることによって建物全体の重量が増えるため、下記のような軽量の建材をかぶせることが一般的です。
- 屋根:スレート屋根、金属屋根(ガルバリウム鋼板)、アスファルトシングル
- 外壁:サイディング(金属系、窯業系、木質系、樹脂系)
また、建材を重ねる作業にちなんで「屋根重ね葺き」「外壁重ね張り」と呼ばれることもあります。
続いて、屋根・外壁カバー工法の工事内容を見ていきましょう。
屋根カバー工法(工期:5~7日) |
外壁カバー工法(工期:10~14日) |
1.足場設置 |
1.足場設置 |
2.養生(飛散防止ネット) |
2.養生(飛散防止ネット) |
3.既存棟板金撤去 |
3.付帯部塗装 |
4.防水シート(ルーフィング)敷設 |
4.水切り(みずきり)取り付け |
5.水切り(みずきり)取り付け |
5.胴縁(どうぶち)取り付け |
6.新しい屋根材張り付け |
6.見切り縁(みきりぶち)取り付け |
7.棟板金設置 |
7.新しい外壁材張り付け |
8.棟換気設置 |
8.出隅役物(でずみやくもの)設置 |
9.雨仕舞(あまじまい)シーリング仕上げ |
9.シーリング打ち |
10.足場解体 |
10.仕上げキャップ取り付け |
11.足場解体 |
カバー工法にかかる費用は?
屋根カバー工法
屋根カバー工法にかかる費用は、30坪住宅(屋根面積80〜100平方メートル)で約80万〜150万円です。以下で詳細をチェックしていきましょう。
工事項目 |
単価相場 |
足場工事 |
700~1,000円/平方メートル ※飛散防止ネット込み |
防水シート敷設 |
500~1,500円/平方メートル |
新屋根材設置 |
スレート屋根:5,000~7,000円/平方メートル |
ガルバリウム鋼板:6,500~8,000円/平方メートル |
|
アスファルトシングル:5,000~6,000円/平方メートル |
|
板金処理 |
水切り取り付け:1,500~2,000円/メートル |
棟板金交換:2,000~3,000円/メートル |
|
棟換気設置:25,000円/台 |
|
諸経費 |
工事費用の10%ほど |
同じ30坪住宅でも屋根形状や勾配(傾き)によって屋根面積が変わるため、上記の費用はあくまで目安として参考にしてください。
外壁カバー工法
外壁カバー工法にかかる費用は、30坪住宅(外壁面積120~129平方メートル)で約170万〜220万円です。以下で詳細をチェックしていきましょう。
工事項目 |
単価相場 |
足場工事 |
700~1,000円/平方メートル ※飛散防止ネット込み |
付帯部塗装 |
軒天:1,200~1,500円/メートル |
庇:1,500~1,800円/平方メートル |
|
破風板:650~800円/メートル |
|
鼻隠し:650~800円/メートル |
|
戸袋:2,000~2,500円/平方メートル |
|
雨戸:2,000~3,000円/枚 |
|
胴縁取り付け |
850~1,800/平方メートル |
役物取り付け(※) |
18万〜20万円/式 |
シーリング打ち |
900~1,200円/メートル |
新外壁材設置 |
窯業系サイディング:4,000~5,000円/平方メートル |
金属系サイディング:3,000~7,000円/平方メートル |
|
木質系サイディング:6,000~10,000円/平方メートル |
|
樹脂系サイディング:8,000~10,000円/平方メートル |
|
諸経費 |
工事費用の10%ほど |
※水切り、見切り縁、出隅役物、仕上げキャップ
同じ30坪住宅でも建物形状によって外壁面積が変わるため、上記の費用はあくまで目安として参考にしてください。
カバー工法で屋根・外壁をリフォームする4つのメリット
1.費用を抑えてリフォームできる
カバー工法は既存の屋根や外壁の撤去作業がないため、廃材処理費や人件費を抑えられる工事です。
同じ屋根・外壁リフォームでも「屋根葺き替え」や「外壁張り替え」は既存の屋根や外壁を撤去して新しい建材に交換する分、どうしても工事費用が高くなります。
施工面積や使用する建材によって差はあるもののプラス10万〜20万円はかかるため、費用を抑えてリフォームしたいのであればカバー工法がおすすめです。
2.短期間でリフォームできる
カバー工法は撤去作業がないため、屋根葺き替えや外壁張り替えよりも短期間でリフォームできます。それぞれの工事期間の目安は以下のとおりです。
カバー工法 |
葺き替え・張り替え |
|
屋根 |
5~7日 |
7~10日 |
外壁 |
10~14日 |
14~21日 |
季節や天候によって多少の変動はありますが、早くリフォームが終わることは大きなメリットと言えるでしょう。
3.断熱性・遮音性が向上する
カバー工法は屋根や外壁が2重になることにより厚みが増すため、断熱性や遮音性が向上します。
ただし、断熱や遮音に特化した建材ほどの効果は期待できませんので、あくまで「熱や音が室内に伝わりにくくなる」程度のメリットとして覚えておいてください。
4.アスベスト含有の建材でもリスクなくリフォームできる
2006年以前に建設かつ下記の建材を使用している住宅は、アスベスト含有の建材が使われている可能性があります。
- 屋根材:スレート屋根(カラーベスト、コロニアル)
- 外壁材:石綿含有金属系サイディング、繊維強化セメント板
アスベスト含有の建材を撤去するには、アスベスト飛散による健康問題や処理費用が別途かかるなど、何かとリスクがつきものです。
しかし、カバー工法は既存の屋根や外壁を撤去しないため、アスベストが飛散する恐れもなく、追加費用もかからずにリフォームできます。
カバー工法で屋根・外壁をリフォームする4つのデメリット
1.既存建材の種類や劣化状況によっては施工できない
既存建材の種類や劣化状況によっては、カバー工法によるリフォームができません。
例えば、瓦屋根は厚みと波のような形状が原因で新しい屋根材を固定することが難しく、カバー工法が不向きな屋根材です。
また、屋根・外壁共に下地まで劣化している場合は、カバー工法でなく、葺き替えまたは張り替えによるリフォームしかできません。
もしも下地が劣化している状態でカバー工法をすると、重ねた建材が崩れてきたり雨漏りが起きたりと建物に悪影響をおよぼす可能性があるため、注意が必要です。
2.次回のリフォーム費用が高額になる
一度カバー工法にてリフォームした屋根や外壁に、再度カバー工法をすることはできません。
そのため、次回のリフォームは葺き替えまたは張り替えになるのですが、2枚分の建材を撤去する必要があるため、リフォーム費用が高額になります。
カバー工法をしてから20〜30年以内に建て替えや引っ越しを検討している場合は問題ありませんが、長く住む予定であれば専門業者に相談しながら十分に検討した上でリフォームに取り掛かることをおすすめします。
3.耐震性が低下する
カバー工法は屋根や外壁が2重になる分、どうしても重量増加が避けられない工事です。軽量のガルバリウム鋼板や金属サイディングを使用したとしても建物の総重量は増え、少なからず耐震性は低下します。
とはいえ、決してカバー工法が良くない工法というわけではありません。国が定める耐震診断をクリアしていれば特に問題はないため、まずは専門業者にカバー工法にてリフォーム可能かどうかを点検してもらいましょう。
4.正しく施工されないと結露が発生する恐れがある
カバー工法は、正しく施工されないと結露が発生する恐れがあります。結露が発生しやすい施工事例を3つ紹介します。
【例①】既存屋根・新設屋根「アスファルトシングル」でカバー工法した場合
古いアスファルトシングルと、新たに敷設した防水シート(ルーフィング)の隙間に結露が発生。アスファルトシングルは吸水性の低い屋根材のため、降雨から数日経過しても内部が乾燥しきれず起きた現象。
【例②】既存屋根「パミール」、新設屋根「アスファルトシングル」でカバー工法した場合
現在は販売中止になっているパミール(スレート屋根)と、新たに敷設した防水シートの隙間に結露が発生。パミールは吸収性の高い屋根材で、パミールと防水シートの間に水分が留まって起きた現象。
【例③】既存外壁に「空気の通り道」を設けずカバー工法した場合
既存外壁と新しい外壁の間に「胴縁」という建材を取り付けて空気の通り道を作らなければ、外壁内外の気温差によって内部結露が発生。手抜き工事や知識不足など、施工不良が原因で起こる事例。
上記の方法で施工したからといって絶対に結露が発生するとは限りませんが、発生事例が多いことは確かです。
屋根や外壁内部に結露が発生すると下地や柱の腐食、雨漏りといった被害につながるため、知識や経験が豊富な専門業者に依頼するように注意してください。
カバー工法をするなら川越市のルーフカベドクターにお任せ!
屋根・外壁のカバー工法は
- できるだけ費用を抑えてリフォームをしたい人
- 施工後20~30年以内に建て替えや引っ越しを検討している人
- 断熱や遮音などプラスアルファの効果を得たい人
- 自宅の屋根や外壁にアスベストが含まれている人
などに適した工事です。ただし、既存建材の種類や劣化状況によっては施工できない場合もあるため、専門業者に相談しながらリフォームを進めていくことをおすすめします。
弊社ルーフカベドクターは、川越市にある地域密着型の外壁・屋根塗装専門店です。屋根・外壁カバー工事を含め、施工実績は7,000件以上。長年にわたり、川越市エリアを中心に多くの工事を手掛けてきました。
無料の建物診断も実施しておりますので、屋根・外壁カバー工法を検討している人はお気軽にご相談ください。