ウレタン防水とは?工法・単価・劣化症状・補修について徹底解説
2022.02.27 (Sun) 更新
大切な住まいを守るために欠かせない防水工事。自宅のベランダやバルコニー、屋上(陸屋根)などは雨水が浸み込まないよう、定期的にメンテナンスして防水効果を高める必要があります。
そこで本記事では、防水工事のひとつ「ウレタン防水」についてまとめました。ウレタン防水の特徴や単価、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。
もくじ
ウレタン防水とは?3つの工法と単価を紹介
ウレタン防水とは、ウレタン樹脂を液状化したものを複数回塗布し、防水層を形成する工法のことです。
継ぎ目のないフラットな防水層に仕上がるため、雨水が侵入しにくいことが特徴。定期的にメンテナンスをすることで、10〜12年ほど防水効果を維持できます。
ウレタン防水には「密着工法」「通気緩衝工法」「メッシュ工法」の3つの工法があり、施工場所や劣化状態を考慮して工法を決めることが一般的です。
各工法の特徴や作業工程をより理解できるよう、まずはウレタン防水に必要な作業項目と内容を見ていきましょう。
作業項目 |
作業目的・内容 |
高圧洗浄・補修 |
下地材・防水材の定着を高めるため、高圧洗浄で汚れを落とし、下地処理(ひび割れ補修、目地の撤去)をする |
下塗り |
下地と防水材の密着力を高めるため、プライマーと呼ばれる下地材を塗布する |
中塗り・上塗り(二度塗り) |
コテやローラーを使ってウレタン防水を塗布する 防水効果を高めるため、厚みが増すよう重ね塗りする |
トップコート塗布 |
紫外線などの劣化要因から保護するため、トップコートと呼ばれる保護塗料を仕上げに塗布する |
通気緩衝シート貼り付け |
通気緩衝工法に使用する無数の穴が開いたシートで、下地に含まれる水分や湿気を逃して防水層の膨れを防ぐ |
メッシュシート貼り付け |
メッシュ工法に使用するシートで、地震や衝撃に強く、ひび割れしにくい防水層を作れる |
ドレン(排水溝)取り付け |
雨水や汚水が床面に溜まらないよう、外に逃がすための装置 |
脱気装置(脱気盤・脱気筒)取り付け |
通気緩衝シートを通った湿気を逃がすため、50平方メートルに1つの間隔で取り付ける装置 |
続いて、3つの工法の具体的な内容を以下で紹介します。
①密着工法
密着工法とは、下地に直接ウレタン防水を塗布する工法のこと。防水層が軽く、建物への負担が少ないことが特徴です。
ウレタン防水の中でもっとも施工費用が安く、短い期間で施工できます。密着工法の詳細と作業手順は以下のとおりです。
施工に適した場所 |
劣化の少ない床、ベランダなど面積が狭い場所 |
施工費用 |
3,000~5,000円/平方メートル |
施工期間 |
3~7日 |
作業手順 |
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②通気緩衝工法
通気緩衝工法とは、下地に「通気緩衝シート」を貼り付け、その上からウレタン防水を塗布する工法のこと。下地とウレタン防水が密着していないことが特徴です。
そのため、水蒸気による防水層の膨れを防ぐことが可能。水分を多く含んだ床や、築年数が古い家の施工に適しています。
通気緩衝工法の詳細と作業手順は以下のとおりです。
施工に適した場所 |
雨漏りしている床、湿気を含んでいる床、築古住宅 |
施工費用 |
5,000~6,000円/平方メートル |
施工期間 |
4~10日 |
作業手順 |
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③メッシュ工法
メッシュ工法とは、下地に「メッシュシート」を貼り付け、その上からウレタン防水を塗布する工法のこと。地震や衝撃に強く、ひび割れしにくいことが特徴です。
密着工法よりも強度は高まりますが、通気緩衝工法のように湿気を逃がす効果はありません。メッシュ工法の詳細と作業手順は以下のとおりです。
施工に適した場所 |
揺れや衝撃を受けやすい場所、陸屋根、バルコニー |
施工費用 |
4,000~6,500円/平方メートル |
施工期間 |
3~9日 |
作業手順 |
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ウレタン防水のメリット・デメリット
メリット
ウレタン防水のメリットは以下の4つです。
- 複雑な形状の場所でも施工可能
- 次回の防水工事の際は重ね塗りにて施工可能
- 建物に負担をかけにくい軽量な防水層
- 防水工事の中でも施工費用が安価
防水工事にはウレタン防水の他に、防水効果のあるシートを貼るタイプの工事が3種類あります。
種類 |
特徴 |
単価(平方メートル) |
FRP防水 |
軽量で高耐久だが、伸び縮みに弱い 木造や広い床には施工不可 |
4,000~8,000円 |
シート防水 |
施工費用は安いが、傾斜や凹凸のある場所には施工不可 |
2,500~7,500円 |
アスファルト防水 |
高耐久だが、非常に重たい 新築時に適した防水工事 |
5,500~8,000円 |
ウレタン防水の施工費用は1平方メートルあたり3,000〜6,500円ほど。手軽に安く防水工事をしたい場合はウレタン防水がおすすめです。
デメリット
ウレタン防水のデメリットは以下の2つです。
- 施工技術を要する
- 樹脂塗料の乾燥に時間がかかるため工期が長い
液状化したウレタン樹脂は非常に柔らかく、均一に塗布するには難易度の高い作業です。防水材の厚みが均一でない場合は、雨水がドレン(排水溝)に流れず、やがて雨漏りする恐れがあります。
ウレタン防水は職人の技術によって仕上がりに差が出るため、実績豊富な業者に依頼するよう注意してください。
ウレタン防水を補修するタイミングは?
ウレタン防水の耐用年数(寿命)は10~12年です。ただし、定期的なメンテナンスをしなければ耐用年数よりも早く寿命を迎える恐れがあります。
この章では、ウレタン防水を補修するタイミングと、長持ちさせる2つのポイントを紹介します。
補修が必要な5つの劣化症状
まずは、ウレタン防水の補修が必要な5つの劣化症状を紹介します。
劣化症状 |
補修方法 |
表面のひび割れ |
トップコートの再塗装 |
塗料の膜(塗膜)の浮き・膨れ |
部分補修もしくは全体改修 |
防水層の亀裂 |
ウレタン防水の再塗装 |
コケや雑草が生えている |
下地の奥まで根が張る前に取り除く |
既に雨漏りしている |
早急に全体改修 |
小さな劣化でも、放っておけばやがて雨漏りにつながります。柱や梁(はり)が腐食したり、シロアリが発生したりと建物全体を傷めてしまうことになるため、劣化が現れたら早めの補修を心がけましょう。
ウレタン防水を長持ちさせる2つのポイント
続いて、ウレタン防水を長持ちさせる2つのポイントを紹介します。
- ドレン(排水溝)とその周りを定期的に掃除する
- 表面が色あせてきたらトップコートを塗り替える
飛んできた落ち葉や土ぼこりなどがドレン(排水溝)に詰まると、雨水や汚水が流れなくなって床面に水が溜まり、防水層が劣化する原因になります。
ウレタン防水を長持ちさせるには、3ヵ月に1度のペースでドレン(排水溝)とその周りを掃除しましょう。
また、表面が色あせてきたらトップコートの塗り替えが必要です。5年に1度のペースで塗り替えることで劣化しにくくなり、ウレタン防水を長持ちさせることができます。
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防水工事を怠ると大切なお家を傷めてしまう恐れがあるため、定期的なメンテナンスを心がけましょう。
弊社では無料の建物診断にも対応しておりますので、気になることがありましたらお気軽にご相談ください。