太陽光パネルが設置された屋根の塗装方法や費用、注意点を徹底解説!
2021.09.30 (Thu) 更新
太陽光パネルが自宅屋根に設置されている人は、設置したままで塗装できるのか、どうやってメンテナンスをするのか疑問に思ったことはありませんか?
そこで本記事では
- 太陽光パネルが設置された屋根の塗装は可能か?
- どんな方法で塗装するのか?
- 工事費用はいくらくらいかかるのか?
について詳しく解説します。太陽光パネルが設置された屋根の塗装を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
もくじ
太陽光パネルが設置されている屋根は塗装できるの?
結論から言うと、太陽光パネルが設置されている屋根を塗装することは可能です。
塗装方法としては
- 太陽光パネルを脱着して塗装する
- 太陽光パネルを脱着せずに塗装する
の2種類があります。それぞれの内容を以下で見ていきましょう。
方法1.太陽光パネルを脱着して塗装
1つめは、太陽光パネルを脱着して塗装する方法です。太陽光パネルを取り外してから屋根全体を塗装した後、再び太陽光パネルを設置します。
メリット |
屋根全体を塗装することにより、まんべんなく防水性を高められる 塗膜(塗料の膜)の劣化を抑え、屋根材の耐久性を維持できる |
デメリット |
脱着費用が余分にかかる 脱着時の破損や不具合はメーカー保証の対象外となる恐れがある |
方法2.太陽光パネルを脱着せずに塗装
2つめは、太陽光パネルを脱着せずに塗装する方法です。太陽光パネルを養生し、設置されていない箇所だけを塗装します。
メリット |
脱着する方法よりも工事費用を抑えられる 脱着による破損や不具合の心配がない |
デメリット |
屋根全体の耐久性は維持できない 太陽光パネルを撤去した後の屋根の色が周囲と異なる |
太陽光パネルが設置されている屋根の塗装にかかる費用は?
太陽光パネルが設置されている屋根の塗装にかかる費用について、以下で詳しく解説します。
費用1.太陽光パネルを脱着して塗装
まずは、太陽光パネルを脱着するパターンから見ていきましょう。
【見積もり例】
- 建坪:30坪
- 屋根面積:107平方メートル
- 屋根材:スレート屋根
- 塗料:シリコン
工事項目 |
数量 |
単位 |
単価 |
金額 |
足場仮設 |
150 |
㎡ |
800円 |
120,000円 |
飛散防止ネット |
150 |
㎡ |
100円 |
15,000円 |
高圧洗浄 |
107 |
㎡ |
200円 |
21,400円 |
太陽光パネル脱着 |
1 |
式 |
200,000円 |
200,000円 |
縁切り(タスペーサー) |
107 |
㎡ |
500円 |
53,500円 |
塗装(下塗り) |
107 |
㎡ |
800円 |
85,600円 |
塗装(中塗り) |
107 |
㎡ |
1,200円 |
128,400円 |
塗装(上塗り) |
107 |
㎡ |
1,200円 |
128,400円 |
諸経費(総額の10%) |
1 |
式 |
75,000円 |
75,000円 |
合計 |
827,300円 |
太陽光パネルの脱着費用には、脱着作業費が1枚あたり20,000~30,000円程度、人件費や取り外したパネルの保管費が1日あたり20,000~40,000円程度がかかります。
太陽光パネルの枚数やサイズ、工事日数によって費用は前後しますが、目安としては最低でも20万円以上かかると覚えておいてください。
費用2.太陽光パネルを脱着せずに塗装
続いて、太陽光パネルを脱着しないパターンを見ていきましょう。
【見積もり例】
- 建坪:30坪
- 屋根面積:107平方メートル
- 太陽光パネル設置面積:35平方メートル
- 屋根材:スレート屋根
- 塗料:シリコン
工事項目 |
数量 |
単位 |
単価 |
金額 |
足場仮設 |
150 |
㎡ |
800円 |
120,000円 |
飛散防止ネット |
150 |
㎡ |
100円 |
15,000円 |
高圧洗浄 |
72 |
㎡ |
200円 |
14,400円 |
縁切り(タスペーサー) |
72 |
㎡ |
500円 |
36,000円 |
塗装(下塗り) |
72 |
㎡ |
800円 |
57,600円 |
塗装(中塗り) |
72 |
㎡ |
1,200円 |
86,400円 |
塗装(上塗り) |
72 |
㎡ |
1,200円 |
86,400円 |
諸経費(総額の10%) |
1 |
式 |
42,000円 |
42,000円 |
合計 |
457,800円 |
太陽光パネルの脱着費用がかからないことはもちろん、塗装面積に太陽光パネルの設置面積が含まれないため、太陽光パネルを脱着して塗装するよりも工事費用が安くなります。
太陽光パネルが設置されている屋根を塗装する際の注意点
太陽光パネルが設置された屋根を塗装する際の注意点を、以下で詳しく解説します。
注意点1.太陽光パネルと屋根材の耐用年数を考慮する
太陽光パネルの法定耐用年数は17年です。これは、減価償却期間(資産として活用できる年数)として国税庁が定めている年数であり、太陽光パネル自体の寿命ではありません。実際には20~30年ほど使用できるとされています。
法定耐用年数 |
実際の寿命 |
|
太陽光パネル |
17年 |
20~30年程度 |
屋根材の耐用年数は種類によって異なるため、以下で確認してください。
屋根材 |
耐用年数 |
塗装メンテナンスの周期 |
ガルバリウム鋼板 |
20~30年 |
10~15年 |
トタン屋根 |
10~20年 |
5~8年 |
スレート屋根 |
15~25年 |
7~8年 |
日本瓦 |
50年以上 |
塗装メンテナンスは不要 |
セメント瓦 |
30~40年 |
10~15年 |
寿命を迎えた太陽光パネルは撤去や交換工事が必要に、耐用年数を過ぎた屋根材は葺き替えやカバー工法などの屋根工事が必要になります。
どちらの工事も高額な費用がかかるため、「太陽光パネルを設置した時期」「屋根材の耐用年数」「前回の塗装時期」の3つを考慮して塗装時期を決めてください。
注意点2.屋根の状態に合わせて施工方法を決める
太陽光パネルを脱着するとなると、工事費用も高くなるし工事期間も長くなります。そのため、屋根の劣化状態に合わせて施工方法を決めましょう。
また、台風や積雪が多い地域や塩害を受けやすい地域などは、屋根が劣化するスピードは通常よりも早くなります。
一般的な耐用年数よりも早く寿命を迎える可能性があることも考慮しつつ、太陽光パネルを脱着して塗装するべきか、それとも脱着せずに塗装するべきかをしっかり考えてください。
地元の塗装業者なら地域環境や気候に詳しいため、屋根の状態や耐用年数、太陽光パネルの寿命なども含めたアドバイスを受けられるでしょう。
太陽光パネルが設置されている屋根の塗装は専門業者に依頼しよう
太陽光パネルを脱着して塗装するにしても、脱着せずに塗装するにしても、太陽光パネルが設置された屋根の塗装経験が豊富な地元業者に依頼するようにしましょう。
太陽光パネルメーカーや設置業者に依頼すると中間マージンがかかるため、上記で紹介した工事費用よりもさらに高額になります。
また、訪問業者は技術や知識がないケースがほとんどのため、絶対に依頼しないように注意してください。
弊社ルーフカベドクターでは、無料の建物診断を実施しております。太陽光パネルが設置された屋根の塗装を検討している人は、お気軽にお問い合わせください。