外壁塗装で養生が必要な理由とは?費用相場・作業中の注意点と紹介
2021.09.02 (Thu) 更新
お客様に喜んでもらうことはもちろん、近隣の方に迷惑をかけずに外壁塗装を終えるには、養生が必要です。作業期間ずっと養生するわけではありませんが、養生の間いくつか気を付けてほしいことがあります。
養生についてのあらゆる疑問を解消できるよう、外壁塗装における養生の重要性・費用・必要な期間・注意点を解説します。
もくじ
養生とは?外壁塗装で必要な理由は?
養生は、塗装しない箇所に塗料を付けないためのカバーで、美しい仕上がりに欠かせないものです。
塗料の付着・飛散を防ぐもの
養生には、建物全体を覆うものや窓枠を覆うものなど、種類がいくつかあります。いずれも、塗料を付けたくない所を守るために使用します。
家全体を覆うものは、近隣まで塗料や洗浄水が飛散するのを防ぎます。
きれいに仕上げるためのもの
養生は剝がされるので、作業が終われば残りません。しかし、細かい箇所を丁寧に塗るための養生がきれいに貼られていないと、塗装箇所が歪んで見えるなど、美観に影響を及ぼします。美しく仕上げるのに、丁寧に貼られた養生が役立ちます。
養生が必要な箇所と方法
外壁塗装時に養生が必要な箇所は複数あり、場所によって使い分けます。
玄関周り・車などを覆う
塗料の付着・飛散の可能性がある箇所は全て養生が必要です。たとえば、玄関周り・表札・郵便受けなどです。車・植物・花壇などもあれば、養生します。
さまざまな方法の中から現場に適したものを選ぶ
保護したい場所によって、使う養生は異なります。本記事では、7種類の養生と使い方の一例を紹介します。
マスカー
ビニールとテープが一緒になったものです。窓・郵便受け・メーター・換気口の保護などに使います。
シート部分が広く、あらゆる箇所で使いやすいので、植物を覆う際にも使われます。ビニールは手で破れるので、通気性も確保できます。
ノンスリップマスカー
マスカーより強度があり、滑りにくいものです。玄関・ベランダなどに使用し、足元の安全も確保します。
飛散防止ネット
建物全体を覆うメッシュシートです。建物の外に塗料や洗浄水、ほこりなどを飛散しにくくします。
ブルーシート
他の養生より厚みがあって頑丈なので、重い物を置いたり人通りが多かったりする場所で使用します。たとえば、通路・雨の当たらない玄関周り・塗料や工具などを置くスペースです。
マスキングテープ
塗料の色の使い分けや、細かい箇所の塗装が必要な場合に使用します。直線部分も塗料がはみ出ず塗れるので、ムラのない仕上がりが可能です。
室外機カバー
室外機も汚れる可能性があるので、養生が必要です。しかし、空気の通り道まで塞ぐようにかぶせてしまうと、エアコンが使えなくなります。
そこで、作業中もエアコンが使える室外機カバーが便利です。室外機カバーは、上からかぶせるだけで室外機を保護できます。カバーをしても、空気の通り道は確保されます。
カーシート
車を覆えるサイズの、傷が付きにくい不織布状のものです。依頼主はもちろん、近隣の車でも塗料や洗浄水の影響を受けそうであればシートをかけます。
外壁塗装の養生費
養生費の相場は、1平方メートルあたり300~500円です。養生範囲・方法などで料金は変わりますが、30坪程度の住宅で3万~6万円が目安です。
見積書の「仮設工事(足場工事)」「施工費」などに含まれます。つまり、養生費無料をアピールしていても、塗装費用に養生費は含まれているということです。
養生の必要な範囲の認識が違うと、予定より多くの養生が必要となり、見積もりより高い金額を請求される可能性があります。割増料金を請求されないよう、汚したくないものや移動できないものは、事前に業者に伝えましょう。
外壁塗装にかかる時間。養生はいつからいつまで?
外壁塗装は約2週間かかります。しかし、養生は作業期間の最初から最後まで必要なものではありません。
飛散防止ネットのように、足場を組んでから解体までかけておくものもありますが、養生の多くが必要なのは、下地処理の後から足場を解体する前までの1週間程度です。
外壁塗装の養生中の注意点
1週間前後の養生期間、できない可能性のあることも。行動が制限された場合の対処法とあわせて覚えておきましょう。
窓が開けられなくなる
窓ガラスやサッシを汚さないために、窓全体を覆うように養生します。故に、養生をしている間、窓を開けられません。
ただし、作業をしていない時間、たとえば早朝・夜間や業者の休日などは開けられます。作業中以外は養生を外せるので、換気などでこまめに開けたい窓があれば事前に業者に伝え、1日の作業の終わりに外してもらうと良いでしょう。
室外機や換気扇の給気口を覆わない養生であれば、養生中にエアコンも換気扇も使えます。換気扇などを使用したいことも、伝えてください。
換気できない時の対処法
作業によっては、換気できない場合があります。換気できず気分が悪くなるのを防ぐのに役立つ方法を覚えておきましょう。
- 家の中でマスクをする
- 臭いが少ない塗料を選ぶ
塗装中に換気ができず心配なのが、塗料の臭いで具合が悪くなることです。そこで、臭いが気になったら、マスクをしましょう。
打ち合わせ段階であれば、塗料の相談にも応じてもらえます。臭いが気になりやすい方は、臭いの少ない塗料で施工できないか相談してみてください。
ペットを飼っている方は、ペットホテルなどに預けることをおすすめします。動物は人間以上に臭いに敏感で、塗料の臭いで体調に影響を及ぼすことが懸念されるためです。
給湯器やエアコンをつけられない場合がある
給湯器やエアコンの養生は、換気口などを覆わないものを使用し、ふさがないよう十分注意して進めます。
ただし、万が一不適切なやり方で養生されると、機器の故障や事故などの原因となります。機器の使用に影響のない養生をしていても、作業によっては使えない場合もあるので、使用して問題ないか、使えない期間はあるかなどは、前もって業者に確認しましょう。
雨の日は養生したり外したりできない
マスカーやマスキングテープなどのテープは、湿気で接着力が弱まるので、雨の日に養生できません。ただし、足場の組み立てと飛散防止ネットの設置はできます。
養生を外す作業も、雨の日はできません。養生に付いた塗料が飛散してしまうと、雨水と合わさり、汚したくない箇所に付着する可能性があるためです。
枯れないよう植物への養生は短期間にしてもらう
植物への養生は、植物が枯れるリスクを高めます。植物が枯れる原因は、酸素や日光が足りないことだからです。
しかし、植物に塗料が付くかもしれないことを考えると、全く養生しないのも抵抗があるでしょう。枯れるリスクを減らしながら養生するには、塗料を使う期間のみにすることをおすすめします。塗料の使用期間は、3日ほどです。
養生は外壁塗装に不可欠なもの
外壁塗装中の養生は、塗料や洗浄水から自宅と近隣住宅を守るためのものです。細かい箇所をきれいに仕上げるのにも、役立ちます。
1週間ほど養生することになるので、作業中以外は窓を開けられるようにしてもらう、エアコン・換気扇は使用できるか確認するなどが大切です。家の外で植物を育てている方やペットを飼っている方は、他にも気を付けることがあります。
外壁塗装は、費用や養生中の注意点などを丁寧に説明してくれる業者への依頼がおすすめです。