ALC外壁のメンテナンス|塗装や補修の必要性と費用相場を紹介!
2022.02.27 (Sun) 更新
ALCは耐候性の高い外壁ですが、決してメンテナンスをしなくてもいいというわけではありません。
定期的にメンテナンスをしなければ劣化が進み、建物に大きな影響をあたえる恐れがあります。
そこで本記事では、ALC外壁のメンテナンスの必要性や費用相場について詳しくまとめました。
ALC外壁のメンテナンスを検討している人は、ぜひ参考にしてください。
もくじ
ALC外壁とは?
ALC外壁とは、セメントや珪石、生石灰などを主原料としたパネル状の外壁材のことです。
Autoclavd Lightweight aerated Concrete(高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート)の略称で、内部に細かい気泡の穴が無数に空いていることが特徴。この気泡(発砲構造)により、ALC外壁は多くの特性があります。
- 耐震性:水に浮くほど軽く、建物への負担が少ない
- 断熱性:気泡によって空気の層が作られ、外部からの熱を遮断してくれる
- 調質性:気泡によって空気の層が作られ、湿度を調整してくれる
- 遮音性:気泡が音を吸収し、外部の音が室内に伝わりにくくなる
- 耐火性:気泡が熱の伝わりを抑えてくれる
また、ALCの寿命(耐用年数)は50〜60年と長いため、外壁だけでなく屋根や内壁(間仕切り壁)、床板など幅広い場所で使用されています。
ただし、メンテナンスなしでは50〜60年も良い状態を維持するのは不可能です。次の章で、ALC外壁のメンテナンスについて詳しく見ていきましょう。
ALC外壁のメンテナンス①再塗装
ALCは水を吸収しやすい素材のため、塗装にて防水性を高める必要があります。塗装を怠るとひび割れや欠落の恐れがあるため、定期的な塗装メンテナンスが必要です。
以下のタイミングを目安に、塗装メンテナンスをしましょう。
- 前回使用した塗料の「耐用年数」
- 外壁の「劣化症状」
それぞれの内容を詳しく解説します。
前回使用した塗料の耐用年数を目安にする
前回使用した塗料の耐用年数を目安にして、再塗装のタイミングを把握しましょう。新築の場合は築10〜15年を目安に再塗装することをおすすめします。
一般的な塗料の耐用年数は、以下のとおりです。
塗料の種類 |
耐用年数 |
ウレタン |
8~10年 |
シリコン |
10~15年 |
ラジカル |
12~15年 |
フッ素 |
15~20年 |
無機 |
20~25年 |
劣化症状を目安にする
塗料の耐用年数はあくまで目安であり、絶対ではありません。住環境によっては耐用年数よりも早く劣化する恐れがあるため、下記のような劣化症状がみられたら再塗装のサインです。
- チョーキング現象
- 色あせ
- 塗膜のひび割れ・膨れ
- コケやカビの発生
上記は、塗料の防水効果が薄れると起こる劣化症状になります。前回使用した塗料の耐用年数に到達していなくても、劣化症状がみられたら早めに塗装メンテナンスをしてください。
ALC外壁のメンテナンス②目地補修
ALC外壁のメンテナンスには「目地補修」も必要です。目地とは、ALCパネル同士の継ぎ目や、ALCパネルと窓の接合部などを指します。
目地がむき出しの状態では防水性や気密性に欠けるため、「コーキング」と呼ばれる弾性のあるゴムのような物質が埋められています。
コーキングが劣化するとALCパネルのズレや浮き、雨水が侵入するといったトラブルが起こりため、定期的な目地補修が必要です。
築10年前後でコーキングの劣化具合をチェック
コーキングは10年前後で劣化症状が現れることが多いです。主な劣化症状はひび割れ、肉痩せ、剥がれなどで、そのまま放っておくと劣化部分から雨水が侵入する恐れがあります。
ALC外壁の内部に雨水が侵入すると
- ALC外壁自体の劣化
- 建物内部(柱や梁)の腐食
- シロアリの発生
- 雨漏りの発生
といったトラブルにつながります。たかがコーキングの劣化と考えず、10年に1度は点検・補修するようにしましょう。外壁塗装と同時に補修することをおすすめします。
補修方法は「打ち増し」「打ち替え」の2種類
コーキングの補修方法は「打ち増し」「打ち替え」の2種類があります。
- 打ち増し:古いコーキングの上から新たにコーキング材を追加する
- 打ち替え:古いコーキングを撤去してから新しいコーキング材を充填する
ALC外壁は厚みがあり目地の溝が深いため、打ち増しで補修するケースが多くあります。
また、窓やドアのサッシまわりは奥にある防水紙を傷つけないよう、打ち替えでなく打ち増しで補修するパターンがほとんどです。
ただし、コーキングの劣化状態などによっては打ち替えのほうが適している場合もあるため、専門業者に点検してもらい、状態を把握した上で補修しましょう。
ALC外壁のメンテナンス③ひび割れ補修
ALC外壁は高耐久ですが、内部に無数の気泡穴があるため、建物の動きに追従しにくいことが欠点です。
そのため、地震や強風、電車やトラックの走行時などで起こる揺れによって、ひび割れする恐れがあります。
ALC外壁がひび割れした場合の補修方法を、以下で詳しく見ていきましょう。
幅0.3ミリメートル以下のひび割れ
幅0.3ミリメートル以下のひび割れは「ヘアークラック」と呼ばれる、塗料の膜のみがひび割れている状態です。
ALC外壁自体にはまだ影響が出ていないため、ひび割れが進行する前に補修することをおすすめします。
ヘアークラック(幅0.3ミリメートル以下のひび割れ)の補修方法は、以下の2つです。
- コーキング材の擦り込み:ひび割れ箇所にコーキング材を擦り込む簡易的な補修
- 微弾性フィラーの擦り込み:再塗装の下地補修時に微弾性フィラーを擦り込む方法
微弾性フィラーの擦り込みは補修跡が目立つため、再塗装の予定がある場合に検討するとよいでしょう。
幅0.3ミリメートル以上のひび割れ
幅0.3ミリメートル以上のひび割れは「構造クラック」と呼ばれる、ALC外壁や基礎部分までひび割れている状態です。
構造クラックを放置すると建物内部の腐食や雨漏りが進行し、最悪の場合、建物の傾きや倒壊する危険があります。深刻な状態のため、早急に補修してください。
構造クラック(幅0.3ミリメートル以上のひび割れ)は、Uカットシーリング工法にて補修します。
Uカットシーリング工法とは、ひび割れに沿って電動カッターなどでU字型の溝を作り、溝内部にプライマー(接着剤)を塗布してシーリング材を充填する工法です。
ひび割れの広がりを抑制してくれる工法ですが、補修跡が非常に目立つため、仕上げにパターン調整(模様合わせ)をすることをおすすめします。
ALC外壁の塗装や補修にかかる費用は?
外壁塗装の費用相場
ALCの外壁塗装にかかる費用相場は、30坪住宅で80万〜200万円ほどです。ただし、使用する塗料のグレードによって費用が大きく異なるため、以下を参考にしてください。
塗料のグレード |
耐用年数(寿命) |
単価相場(平方メートル) |
ウレタン |
8~10年 |
1,700~2,200円 |
シリコン |
10~15年 |
2,300~3,000円 |
ラジカル |
12~15年 |
2,500~3,000円 |
フッ素 |
15~20年 |
3,800~4,800円 |
無機 |
20~25年 |
4,500~5,500円 |
専門業者に相談しながら、条件や予算に合った塗料を選びましょう。
目地・ひび割れ補修の費用相場
ALCの目地・ひび割れ補修にかかる費用相場は、以下のとおりです。
補修方法 |
単価相場 |
コーキング打ち増し |
700~900円/メートル |
コーキング打ち替え |
900~1,200円/メートル |
コーキング材の擦り込み |
1,500~2,300円/平方メートル |
微弾性フィラーの擦り込み |
700~1,000円/平方メートル |
Uカットシーリング工法 |
1,200~2,500円/平方メートル |
目地やひび割れの劣化状態により費用が異なるため、詳しくは専門業者にお問い合わせください。
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